2015 Fiscal Year Annual Research Report
実現ボラティリティ分布に基づくボラティリティ変動モデルの構築とその応用
Project/Area Number |
25330047
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Research Institution | Hiroshima University of Economics |
Principal Investigator |
高石 哲弥 広島経済大学, 経済学部, 教授 (60299279)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | マルコフ連鎖モンテカルロ法 / 実現ボラティリティ / ハイブリッドモンテカルロ法 / GPU計算 / SVモデル / OpenACC |
Outline of Annual Research Achievements |
実現ボラティリティは高頻度データを利用して推定したボラティリティであり、精度良く推定できると期待される一方、マイクロストラクチャーノイズ及び有限のサンプル数によるバイアスが存在する。本研究では、実現ボラティリティで標準化した量のモーメントを調べることによって、バイアスの影響度を調べ、サンプル数が少ないとバイアスの影響が大きくなることがわかった。 実現確率的ボラティリティ変動モデルは、従来の確率的ボラティリティ変動モデルに実現ボラティリティの情報を取り込むことによって、精度良くボラティリティが推定できると期待されるモデルである。このモデルの推定にはマルコフ連鎖モンテカルロ法が利用されることが多い。本研究では、マルコフ連鎖モンテカルロ法の1つであるハイブリッドモンテカルロ法を利用して推定方法を開発した。ハイブリッドモンテカルロ法の利点は、並列化が可能なことで、ここではGPUを利用して並列計算ができるコードを開発した。コード開発にはNvidia社のCUDAとOpenACCを利用した。OpenACCでは、ディレクティブを挿入することによって比較的簡単に並列化コードを作成することができる。計算速度を比較した結果、OpenACCでもCUDAと同程度の計算速度を達成できることが分かった。 開発したコードによって、実現確率的ボラティリティ変動モデルの推定を様々なサンプリング周波数で計算した実現ボラティリティに対して実行した。実現確率的ボラティリティ変動モデルはどのようなサンプリング周波数の実現ボラティリティを用いても、バイアスの影響はパラメータで修正できることが期待されるモデルである。推定の結果、バイアスのパラメータはHansenとLundeが提唱した修正ファクターと似た振る舞いをすることが分かった。但し、高周波数領域では小さいがズレがあることも分かった。
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