2014 Fiscal Year Research-status Report
次世代自動車を実現する車載ネットワークシステムの設計技術に関する研究
Project/Area Number |
25330064
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
杉原 真 九州大学, システムLSI研究センター, 准教授 (80373538)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 車載ネットワークシステム / 設計技術 / TDMA / 製造コスト / 信頼性 / 自動合成 / 組込みシステム |
Outline of Annual Research Achievements |
自動車製品においては、安全性、快適性、及び燃料経済性を向上するために、車載ネットワークシステムの導入が進んでいる。車載ネットワークシステムはECU(Electronic Control Unit)、センサ、アクチュエータ、といった車内に分散する部品をワイヤハーネスで接続する分散組込みシステムとして実現される。一般に、多くの機能を情報システムとして実現するためには、高性能なECUや動作周波数が高いワイヤハーネスが必要であり、製造コストが増加する。特に、ワイヤハーネスの動作周波数を高めると、遮蔽シールド、インピーダンス整合、及び大径化といった工程が必要となり、ワイヤハーネスのコスト増を招く。また、設計対象が大規模化すると、人的及び物的な設計資源を多く投入せざるを得ずに、設計コストが増加する。
本研究課題では、通信プロトコルFlexRayを対象とし、製造コストを抑制した車載ネットワークシステムを自動合成する技術の研究を行う。動作周波数及び製造コストが異なるワイヤハーネスを最適に選択し、FlexRayの設計パラメータを最適に決定することで、実時間性及び信頼性にかかる制約を満たし、かつ、製造コストが最小となる車載ネットワークシステムを自動合成する。設計自動化によって設計コストを削減し、車載ネットワークシステムの設計パラメータを最適化することで製造コストを削減する。
本年度は、車載ネットワークシステムの製造コスト及び信頼性を設計における評価尺度として取り扱い、車載ネットワークシステムの合成技術の研究を進めた。スロットマルチプレキシング、通信信号のスロットへの割り当て、ペイロード長、ワイヤハーネスの動作周波数、ネットワークとポロジを最適に決定し、製造コストを最小化する設計方法論の提示、実装、及び評価を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度までに、信頼性、製造コストを考慮した車載ネットワークシステム合成ソフトウェアを実装しており、また、その評価も行っている。実験による評価結果も、当初期待されたものを実現している。
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Strategy for Future Research Activity |
より柔軟なネットワークトポロジの車載ネットワークシステムを合成できるように、車載ネットワークシステムを合成する最適化問題を詳細化する。
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Research Products
(2 results)