2013 Fiscal Year Research-status Report
大規模かつ高速な並列計算を支える高スケーラブルな並列入出力に関する研究
Project/Area Number |
25330148
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
辻田 祐一 独立行政法人理化学研究所, 計算科学研究機構, 研究員 (70360435)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | PCクラスタ / 並列I/O / 並列ファイルシステム / MPI-IO / マルチスレッド処理 / CPUコア配置 |
Research Abstract |
PCクラスタを含め並列計算機で広く利用されている並列I/OインタフェースであるMPI-IOを基本とする並列I/O機能において、大規模かつ高速な並列I/Oを実現する高スケーラブルな基盤システムの研究開発を進めるため、初年度は試験的な実装として、マルチスレッド処理を用いた並列I/O機能の中でのスレッドのCPUコア配置に関する制御機能の実装と評価を行った。当初の計画では、小規模なPCクラスタを準備して試験実装を行う予定であったが、転職に伴う研究環境や研究設備等の変化に伴い、並列ファイルシステムの一つであるLustreが使用できる東京大学・情報基盤センターの大型PCクラスタであるT2Kスーパーコンピュータにおいて試験実装並びに性能評価を進めることとした。 試験実装においては、並列I/Oを行うライブラリであるROMIOを含めたMPIライブラリに対しマルチスレッド化を行ったライブラリ実装を新たに構築し、Lustre上にて並列I/O処理能力等の評価を行った。この中で、I/O処理用に起動するスレッドはOSのスケジューラによって適当なCPUコアに配置されていたが、近年のマルチコア化による不均一なハードウェア構成を鑑みて、ユーザ側がライブラリを通して特定のCPUコアに配置させる機能を実装し、高い入出力性能が得られるCPUコア配置条件を調査すると共に、このようなコア配置を支援する機能を有するライブラリ実装を試験的に行った。この実装に対する性能評価から、集団型書き込み処理においては、対象データの読出し・通信によるデータ更新・書き戻しの処理を連携して行うことから、通信を行うメインスレッドのCPUコアとI/Oを行うスレッドのCPUコアを同じCPUになるようにする方が、高い性能が得られやすいことが分かった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
科研費に採択された平成25年度に転職したことにより、申請時に想定していた研究環境との違いが発生し、研究設備や研究の進め方等に影響があったが、Lustreが利用できる外部機関の大型PCクラスタシステムの利用に切り替えて、本年度行うべき試験実装と基礎評価のほとんどは達成できたと考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
現所属先の研究設備等の有効利用を含めた研究環境の整備も進めながら、計画に沿って円滑に研究が行える準備を進める。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
科研費採択が決まった平成25年度に、転職したことによって、当初予定していた機器備品を配置する場所や機器の稼働に必要な電源容量を確保することができなかったために、代替案として外部機関の大型PCクラスタシステムの利用に切り替えて研究を進めたため。 研究環境・設備の充実を図るべく、既存設備の有効利用も含め、不足分の機器の購入を進める。現在、既存のPCサーバ数台に対し、InfiniBandネットワークカード3式の購入手続き中であり、既存のストレージサーバとPCサーバ間のInfiniBand接続を利用可能にし、研究に必要な試験環境を整備する予定である。
|
Research Products
(1 results)