2014 Fiscal Year Research-status Report
大規模かつ高速な並列計算を支える高スケーラブルな並列入出力に関する研究
Project/Area Number |
25330148
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
辻田 祐一 独立行政法人理化学研究所, 計算科学研究機構, 研究員 (70360435)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | PCクラスタ / 並列I/O / 並列ファイルシステム / MPI-IO / アグリゲータ |
Outline of Annual Research Achievements |
PCクラスタをはじめとする並列計算機で広く利用されている並列I/OインタフェースであるMPI-IOに関して、特に代表的実装であるROMIOの高度化に関する研究開発を行った。本年度は特にROMIOにおける高速化に向けた最適化実装であるTwo-Phase I/Oにおいて、ファイルシステムへの入出力処理を担当するプロセス(アグリゲータ)に関し、マルチコアCPUによるPCクラスタでのプロセス配置方法の最適化について研究を進めた。マルチコアCPUを用いることで、ノードあたり複数のプロセスを起動しているようなケースでは、ユーザが意図的にノードあたりに複数のアグリゲータを割り当てられるが、既存のROMIOの実装では、Lustreのような並列ファイルシステムのストライピングアクセスパターンに対して非効率的な配置になっている。そこで、I/O性能向上のために、Lustreのストライピングアクセスに最適化したアグリゲータの配置を実現する実装を開発した。 評価試験環境として、InfiniBandを用いた4ノードのPCクラスタと4個のOSTを有するLustreファイルシステムを用い、ノードあたり4プロセスを起動し、全体で16プロセスによるLustreへのI/O性能を今回実装したライブラリを用いてHPIOベンチマークにより計測したところ、既存実装に対し、最大で約30%の性能向上が確認できた。これについては、同じタイミングでストライピングアクセスを行うアグリゲータが、既存実装では同一ノードに複数存在するのに対し、改良実装ではノード毎に1個ずつ分散させるため、InfiniBandの通信帯域を有効に使えることが主な性能向上の理由であることが分かった。この結果を踏まえて、次年度では大規模化した際のスケーラビリティ向上に向けた取り組みを進めることとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
所属機関において、InfiniBandを用いた小規模なPCクラスタを整備することができ、試験実装の予備評価をうまくすすめることが出来るようになったことで、改変した実装の検証について成果をまとめることができるようになった。 今後、より大規模な環境での評価が必要になるため、最終年度では外部機関の大型PCクラスタシステムの利用を検討する。
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Strategy for Future Research Activity |
手元にあるPCクラスタシステムでの試験実装と予備評価を進めつつ、並行して外部機関の大型PCクラスタ環境での高スケーラビリティに関する評価を進め、計画に沿った円滑な研究が行えるように準備を進める。
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Causes of Carryover |
次年度使用額として繰り越される金額は5,000円未満であり、これまでに概ね計画通りに実行してきている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
最終年度となる平成27年度は、ほぼ繰り越し額が無い状態であり、当初の研究計画に沿って進める予定である。
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Research Products
(1 results)