2015 Fiscal Year Research-status Report
大規模かつ高速な並列計算を支える高スケーラブルな並列入出力に関する研究
Project/Area Number |
25330148
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
辻田 祐一 国立研究開発法人理化学研究所, 計算科学研究機構, 研究員 (70360435)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | PCクラスタ / 並列I/O / 並列ファイルシステム / MPI-IO / アグリゲータ |
Outline of Annual Research Achievements |
PCクラスタを始め様々な並列計算機で利用されている並列I/OインタフェースであるMPI-IOに関して、代表的な実装であるROMIO内部にある集団型MPI-IO向け高速化機構であるTwo-Phase I/O(TP-IO)の更なる高速化に向けた改変実装の研究開発を進めてきた。本年度は昨年度に行ったファイルI/Oを担当するプロセス(アグリゲータ)の計算ノード間配置順について、並列ファイルシステムLustreのストライピングパターンに最適化したレイアウトを行った実装に関して研究をさらに進めた。TP-IOはアグリゲータ群へのデータ通信とファイルI/Oの組合せで成り立っており、アグリゲータ配置最適化に伴うデータ通信の問題にも着目し、最適な実装方法の検討を進めた。現行のTP-IOでは、プロセス配置に関係無くプロセスのID(ランク)順に通信相手を変えて通信を発行するため、プロセス数が増えるにつれて通信処理の偏りが顕在化し、通信コストの増加の可能性がある。そこで、プロセス配置を考慮した通信順の並び替えを行うことで通信コスト削減できることを小規模なテスト環境で確認した。より大規模な環境での評価が必要になり、東京工業大学のTSUBAME2.5の64ノードを用いて評価を進めた。768プロセスを起動して得られたデータからは、プロセス配置を考慮した通信順の変更により、現行のROMIOに比べて67%の性能向上を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
性能評価で利用させて頂いたTSUBAME2.5において、評価プログラム実行時に並列ファイルシステム等に過大な負荷がかかり、他の利用者への影響が無視できないために、運用側から利用を控える旨の連絡を頂いた経緯があり、評価試験を年度末に先延ばしせざるを得なかった。よって評価試験でも、当初の予定よりも縮小したスケジュールで行わざるを得なかった。またこれに伴い成果発表の時間が無かったために、研究期間の1年間の延長を希望した経緯がある。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は大型の並列計算機を利用する機会は無いため、3月までに取得したデータを分析し、できる限り成果を纏めて発表するべく検討を進める。
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Causes of Carryover |
大規模計算機環境として評価に用いたTSUBAME2.5の運用側から、性能評価時のファイルシステムへの高負荷状態が他の利用者に対し大きな影響が出るため、比較的込まなくなる年度末近くまで利用を控える旨の通知があり、評価試験等を年度末に設定せざるを得なかった。そのため外部発表等が予定よりも遅くなり、当該年度で予算を使用できなくなった経緯がある。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究期間の1年間の延長の了承を頂いたので、次年度において成果発表の旅費等に使用する予定である。
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Research Products
(2 results)