2013 Fiscal Year Research-status Report
セキュリティLSIに対するハードウェアトロイの対策と検出に関する研究
Project/Area Number |
25330162
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
吉川 雅弥 名城大学, 理工学部, 教授 (50373098)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ハードウェアトロイ / 暗号回路 |
Research Abstract |
リバースエンジニアリングの技術の進歩に伴い,ハードウェアトロイの脅威が,顕在化してきた。一方,機密情報は,理論的に安全性が保障されているアルゴリズムを用いて,データを暗号化することで安全性を確保している。しかし,暗号化は回路で行われるため,その回路動作時の消費電力等を測定することで,不正に内部の秘密情報を解析する攻撃が研究されている。そのため,最近では暗号回路を対象に,いくつかの不正防止回路が開発され,実用化されている。 そこで申請研究では,不正防止回路も含めた暗号回路に対するハードウェアトロイの対策手法と検出手法を確立する。平成25年度は,各サブテーマに関して,いくつかの要素技術の開発を行った。まず,対策技術に関して,トロイの実装方法についての検討を行った。特に,省面積実装を指向した方法について,トロイトリガーに着目して,複数の実装方法についてFPGAを用いた評価実験により検証した。 一方,検出技術に関しては,これまで開発を進めてきたサイドチャネル攻撃対策用のトロイを対象に評価・検証を行った。このサイドチャネル攻撃対策用のトロイは,トロイトリガーが発動すると対策を無効化するトロイであるため,一般的な機能テストでの検出が難しいことを,FPGAを用いた評価実験により実証した。 また,トロイトリガーに関して,これまで発表されているような条件を満たせば必ず発動するトリガーではなく,再現性が無いトロイトリガーを開発することによって,トロイの検出困難性を検討した。さらに,一般的な入力信号をトリガーとするのではなく,リセット信号をトリガーとする新しいトロイも新たに開発して,検出に必要な技術の基本検討を行った。これらの研究成果については,関連する国際会議で発表を行った。また,ハードウエアトロイの専門家だけでなく,ハードウェアセキュリティの専門家とも,適宜,意見交換・情報交換を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画では,平成25年度に,組込型IC識別システムの要素技術や不正攻撃を容易化するトロイを0.18umのASICで試作することを予定していたが,これらが達成出来ていない。一方で,当初計画では想定していなかったが,本研究において重要なトロイの実装方法やトリガーについての要素技術の開発を行うことが出来た。さらに,当初の計画で予定したトリガーより,多くトリガーを組み込んだトロイをFPGAに実装・評価することができ,研究に必要な多くの知見を得ることが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度には,当初計画だけでなく,平成25年度に実施できなかった0.18umCMOSテクノロジーを用いたトロイの設計・試作を行う。 また,研究成果については,適宜,暗号実装や設計技術に関係する主要な研究会や国内会議・国際会議で発表する。さらに,国内学会に,フルペーパーの学術論文として投稿する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初の計画では,平成25年度に0.18umでのハードウェアトロイのASICの試作を予定していたが,この試作を行わなかったため,関連する予算を平成26年度に繰り越した。 平成26年度は,当初の計画に加えて,平成25年度に予定していた0.18umでのハードウェアトロイのASICの試作も併せて行う。
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Research Products
(4 results)