2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25330203
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
平原 達也 富山県立大学, 工学部, 教授 (80395087)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 頭部伝達関数 / 相反法 / 多点同時計測 / 音響インパルス応答 |
Research Abstract |
平成25年度は、100 Hzから20 kHzまでの帯域で、48箇所のHRTFを15秒以内で計測する相反則に基づいたHRTF計測システムを構築し、その性能を検証した。その結果、65536点のOATSP信号を2回以上平均加算すすれば、金田らが提案する一定のSN比を確保するインパルス応答測定法を用いなくても、直接法で計測したHRTFと比較しても十分なS/NでHRTFが計測できることがわかった。これより、最短5.5秒でHRTFを計測できることがわかった。 この高速HRTF計測システムを用いて、従来の直説法では計測が困難であった、頭部を回旋させた状態の水平面HRTFを計測した。頭部回旋角θとHRTFの振幅スペクトル|HRTF(ω)|に出現するスペクトルノッチ周波数N0の関係を調べた。その結果、真正面位置におけるHRTFのN0は0.7 ~ 1.7 kHz に出現し、測定耳を音源と同側方向に回旋させるほどN0は高くなることがわかった。また、このスペクトルノッチは胴部がない場合に消失することから、その成因は肩からの反射であることも確認した。 また、高速HRTF計測システムを用いて、従来の直説法では計測が困難であった、頭部中心から放射状に延びる水平面直線上のHRTFを多点同時計測し、近接場における距離とHRFTの関係を調べた。その結果、0.5m以下の近接場においては距離によって数kHz以上のHRTFの振幅スペクトルが大きく変化することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画のとおり、直接法と同等の帯域幅で、頭部全周位置のHRTFを15秒以内で計測するシステムを構築する。そして、そのシステムで計測したHRTFと直接法で計測したHRTFと比較し、相反法によるHRTF計測システムの性能を検証したから。また、その計測システムを用いて、従来の直接法では計測が困難であった条件でのHRTFも計測できることを確認したから。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画どおり、平成26年度は様々な頭部条件でのHRTFを計測し、接近遠離音や受聴者の近傍でメッシュ状の空間位置を移動する音像を合成するためのHRTFデータベースを作成する。平成27年度は、そのHRTFデータベースを用いてバイノーラル音を合成し、聴覚ディスプレイで再生した音像が所望の位置に定位することを検証する。
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Research Products
(6 results)