2015 Fiscal Year Annual Research Report
エントロピー最大化ファジィクラスタリングとアニーリングの統合アルゴリズムの開発
Project/Area Number |
25330297
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Research Institution | Gifu National College of Technology |
Principal Investigator |
安田 真 岐阜工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (80353275)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ファジィクラスタリング / ファジィc平均法 / エントロピー最大化 / アニーリング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はTsallisエントロピー最大化法を適用したファジィc平均法と確定的アニーリング法を組み合わせたクラスタリング手法を対象とする.同手法の問題点は,データ分布に応じたqパラメータ値とアニーリングの最高温度の適切な設定方法が知られていないことである. そこで本年度の研究では,Tsallisエントロピーのqパラメータ値とアニーリング温度が帰属度関数の形状に及ぼす影響を定量的に評価することで,qパラメータを近似する温度関数を得た.(後に,帰属度関数から直接解析的に近似関数を導出して結果が一致することを確認した)次に,確定的アニーリングにより<仮想的な>アニーリング温度を減少させながら,温度関数に基づきqパラメータ値を計算することで,実際にはqパラメータ値のみ増加させながらクラスタリングを行うアルゴリズムを確立した.提案アルゴリズムにより,アニーリングとファジィクラスタリングを統合してqパラメータ値の設定を不要とした.また,提案アルゴリズムの評価実験を行い,従来手法と遜色ないクラスタリング精度が得られることを確認した.さらに,qパラメータ値とアニーリングの最高温度をデータ分布から同時に,かつ代数的に決定可能な新たな手法を考案し,その検証を続けている. 研究期間全体のその他の成果としては, ・各クラスタに異なるqパラメータを割当て,クラスタ毎にその最適化を行う手法を提案し,クラスタリング精度の大幅な向上を達成した. ・エントロピー関数,アニーリング法,冷却関数,制約条件を組合せたファジィクラスタリングの特徴分析では,特にクラスタ中心から遠方での帰属度関数の形状差とその温度依存性を明確にした. ・配電ネットワーク構造の最適化問題への応用では,開閉器のオン・オフの状態変変化で生じる区間負荷の変化量で距離を定義してクラスタリングを行う方法を考案した.
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