2014 Fiscal Year Research-status Report
エモーショナル・フィットネス実践のための個人適応型最適運動強度及び運動方法の提案
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25330332
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
亀井 且有 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (20161234)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | コルチゾール濃度 / 二次元気分尺度 / 最適運動強度 / 無酸素性作業閾値 / Anaerobic Threshold |
Outline of Annual Research Achievements |
【実験方法】トレッドミルを用いて男子8名、女子4名の被験者に各個人のAT(無酸素性作業閾値)を100%としたときの80%、100%、120%に対応する目標心拍数を維持しながら走行する実験を計3回行なった。閉眼座位安静を5分間行い、コルチゾール濃度計測のための唾液採取および快適度計測のための二次元気分尺度測定を行なった後、ウォームアップを5分間行なった。その後、4.0[km/h]から1分ごとに1.0[km/h]ずつ加速し, 目標心拍数の誤差5% の範囲を維持しながら30分間走行した。走行後は、走行終了後60分まで10分毎に唾液採取および二次元気分尺度測定を行なった。 【実験結果】走行終了直後のストレス強度を測定するために唾液中のコルチゾール濃度を測定する訳であるが、ストレスが唾液中のコルチゾール濃度に反映するまでに時間遅れがあることから、運動終了30分後に採取した唾液からコルチゾール濃度を測定することにした。また、走行終了後のストレス強度を走行終了30分後コルチゾール濃度から走行前コルチゾール濃度を減じたコルチゾール濃度差で定義した。同様に、快適度も走行終了30分後二次元気分尺度値から走行前二次元気分尺度値を減じた二次元気分尺度差で定義した。 結果1:AT80%、100%、120%での被験者の平均コルチゾール濃度差を二次曲線で近似した結果、AT97.0%で最小コルチゾール濃度差-0/148 [μg/dL]となる下に凸の二次曲線を得た。 結果2:AT80%、100%、120%での被験者の平均二次元気分尺度差を二次曲線で近似した結果、AT89.8%で最大二次元気分尺度差2.83となる上に凸の二次曲線を得た。 以上より、エモーショナル・フィットネスのためのストレス最小かつ快適度最大となる最適運動強度はAT90%であることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
【個別ATを基準とする走行実験とコルチゾール濃度測定】被験者12名のそれぞれのATを100%としたときの80%、100%、120%に対応する目標心拍数を維持し、コルチゾール濃度測定のための唾液を採取しながら走行する実験を計3回実施することができた。ただし、実心拍数は目標心拍数の5%未満の誤差に抑えることができた。 【ストレス強度の2時曲線近似】運動終了30分後に採取した唾液からコルチゾール濃度を測定し、被験者12名の3回走行における平均ストレス強度(走行後30分後コルチゾール濃度から走行前コルチゾール濃度を減じたコルチゾール濃度差)を計算した後、AT80%、100%、120%でのストレス強度を二次曲線で近似した結果、AT97.0%で最小ストレス強度-0/148 [μg/dL]となる下に凸の二次曲線を得ることができた。また、AT80%、100%、120%での被験者の平均二次元気分尺度差を二次曲線で近似した結果、AT89.8%で最大二次元気分尺度差2.83となる上に凸の二次曲線を得ることができた。 【エモーショナル・フィットネスのための最適運動強度の推定】上記の結果より、エモーショナル・フィットネスのためのストレス強度最小かつ快適度最大となる最適運動強度はAT90%であることが明らかとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までの達成度の結果を受けて、走者(被験者)ATの90%運動強度を維持しながら野外を走行するシステムを開発する。AT90%運動強度の制御にはテンポの異なる音楽を被験者が聴取し、そのテンポに合わせて走行する方法を提案する。ただし、走行中の心拍測定にはスマートウォッチ、テンポの異なる音楽の切り替えにはファジィ制御を用いる。 開発したシステムを装着して野外を30分走行し、走行後30分後におけるストレス強度および快適度を測定し、エモーショナル・フィットネスのための新しい運動方法を提案する。
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Causes of Carryover |
実験被験者への謝金がかからなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
スマートウォッチを用いたファジィ制御システムの開発に使用する。
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Research Products
(6 results)