2013 Fiscal Year Research-status Report
中国の地方政府による低炭素発展政策の実効性と地域間格差是正への効果
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25340152
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Momoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
竹歳 一紀 桃山学院大学, 経済学部, 教授 (00242800)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
劉 徳強 京都大学, 地球環境学堂, 教授 (10240417)
森 晶寿 京都大学, 地球環境学堂, 准教授 (30293814)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 中国 / 一票否決制 / 地方指導者 / 環境指標 / 経済成長 / エネルギー消費 / 低炭素経済発展 |
Research Abstract |
1)研究項目Aの「一票否決制の執行状況の解明」に関しては、中国の地方政府指導者の交代状況を把握するために、2000年から現在までの各省・市・自治区及び省都都市の主要指導者(共産党書記と省長・市長)の在任状況に関する情報を収集した。また、地方政府指導者の交代は環境指標の達成状況によるものか、それとも他の原因によるものなのかを把握するために、彼らの個人属性(学歴、年齢、在職期間、出身地、性別、民族など)に関する情報も収集した。 2)研究項目Bの「経済成長とエネルギー消費に関する地域別構造分析と政策改革」に関しては、エネルギーを投入要素とする集計的生産関数の推計を行っている先行研究を収集し、CES生産関数やトランスログ生産関数を用いた最近の研究を中心に、どのような推計モデルがどのような研究目的で用いられているかなどについて検討した。また、特に中国を対象としたそれらの研究において、どのようなデータが用いられているかも検討した上で、必要な統計データの収集を行った。 3)このほか、中国の地方政府の環境・気候変動と開発衝動をめぐる新たな政治経済分析に関する文献調査、および中国の地方政府における低炭素都市建設の進展に関する文献調査を行った。 4)これら研究に関連して、「中国における経済成長方式の転換とその可能性」と題する研究報告を中国経済研究会で行い(劉)、国際的な合意や資金が中国の気候変動政策の展開に及ぼした内容について、国際開発学会全国大会で研究報告を行った(森)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画に沿い、各研究項目について本格的な分析のための準備作業を行うことができた。研究計画を大きく変更させる障害なども現段階ではなく、順調に進んでいる。ただし、現地調査やモデル推計などの本格的な分析作業は26年度以降に実施する。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの準備作業をもとにして、26年度には本格的な分析作業を行う。 研究項目Aについては、地方指導者の業績となっている環境指標や経済指標を収集し、分析を進める。 研究項目Bについては、収集した統計データの加工とモデルの推計を進める。 また、これらに関する情報収集と、各地方政府の低炭素都市建設に関する実態調査のため、現地調査も予定する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
25年度は主としてインターネット等を通じて地方指導者の在任状況に関する情報を収集したため、本研究のための中国出張は実施しなかった。結果として予算が大幅に節約された。 26年度には、環境や経済関係の資料収集、そして制度に関する情報収集などのため、中国への出張が予定されており、また、分析を補助してもらうために学生アルバイトも雇う必要がある。
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Research Products
(2 results)