2015 Fiscal Year Annual Research Report
生活者主体の地域づくりのデザインに資する地域資源の集積と活用方策の検討
Project/Area Number |
25350003
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
植田 憲 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40344965)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | デザイン / 地域資源 / 生活者主体 / 内発的発展 / 歴史的造形資源 / 伝統的工芸 / 生活 / 文化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、地域資源調査に基づいて、地域社会において人びとが自らの生活を支えてきた資源と原理を明確化するとともに、それらを今日生活者主体の地域づくりのデザインに資する資源としていかにして創造的に展開していくかを考究することを目的としたものである。本年度においては、研究代表者が構築してきた地域社会との多様な関係を踏まえ、資料収集ならびに実践活動へと展開し生活者らから評価を得るとともに、学会等において研究発表を多数行った。実施した活動は、概ね以下の通りである。 (1)千葉県における歴史的造形資源の3Dアーカイブとその利活用:千葉県における重要な潜在的地域資源のひとつである社寺等にみられる木彫物に関して3D造形データを取得しアーカイブ化を行うとともに、その顕在化を図る取り組みを実施し、地域資源の集積と活用に関し一定の評価を得た。本取り組みの成果については、台湾銘傳大学で開催されたアジアデザイン文化学会の「研究発表大会」や「千葉大学公開講座」、ならびに、山口大学において開催された「ものづくり・創造性教育に関するシンポジウム」等にて公開・発表を行った。 (2)鹿児島県における伝統的な陶器「薩摩焼」のひとつであり同県姶良市に位置する「龍門司焼」を制作する企業組合との協働に基づき、地域の生活者らを対象として、当該地域で産出する陶器の廃材・端材の利活用に基づく装飾パネルのワークショップを実施した。得られた作品を地域内外へと掲出するとともに、その効果や意義を把握・検証した。 (3)千葉県山武市における潜在的資源である山武杉を生活者らが循環的に活用するシステムの提案を行った。具体的には、経木に加工して皿を制作し、それを地域内で生活者が使用することによって形成される資源循環の提案を行うなどをした。 (4)その他、アジア各地における生活者主体の地域づくりのデザインに資する地域資源の集積と活用方策の検討を行った。
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