2014 Fiscal Year Research-status Report
建築家ルイス・カーンの言説分析に基づく設計支援ツールのモデル化に関する研究
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25350034
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
平尾 和洋 立命館大学, 理工学部, 教授 (00252479)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 発想法 / ルイス・カーン / 設計プロセス / マトリクス分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、当初の研究計画2年目に予定されたいた次の3つの作業 1)デザイン発想法・デザインプロセスの設計、2)予備的なデザイン実験、3)本格的なデザイン実験、を行った。 2については、改良を加えながら3回行い、その検証を経て3の最終的な実証実験に臨んだ。発想法を援用する被験者群と援用しない群の最終成果物(デザイン案パネル)に対する専門家評価データの比較から、提案した設計プロセスモデルの有効性について、十分な有効性を示すデータを得ることができた。 更に、平成27年度に計画していた被験者毎のプロセス分析について、前倒しで実行・一定の成果を得た。具体的には「川崎の設計プロセスマトリクス推移=具象化のレベルと対象領域のレベルの3×4マトリクス」の視点から、発想展開パターン類型を整理すると共に、既往研究と同様に「ダイナミック展開型」の被験者が優位であることを明らかにした。 2年目の成果概要は27年度の日本建築学会の近畿支部ならびに全国大会で発表予定の他、年度末には計画系論文集(黄表紙)または日本デザイン学会査読論文への投稿を企図している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
1)26年度に予備実験を積極的に行った結果、当該年度内で、効果の明らかな「ルイス・カーン概念に基づく設計支援ツール」が発想法として定着できたため 2)その有効性の要因として、プロセス分析の結果、ダイナミック展開型の言語・スケッチ展開の重要性を明らかにできたため 3)既に25年度末に、27年度に予定していた図書出版を立命館大学助成により終了しているため
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Strategy for Future Research Activity |
最終年にあたる27年度について、当初計画していた次の2点 1)モデルの微修正、2)実務系被験者による最終確認、以上を遂行する予定である。 1については、26年度のマトリクス分析の結果、対象領域「周辺敷地」「建築の構成要素」の2レベルについて、被験者の思考が相対的に弱かったため、その対策を「課題与件の設定」「初期キーワード発散時の指示と制限」といった視点から微修正したモデルを設定し、再度デザイン実験を行い、精度を高める予定とする。 2については、予定通り実務系被験者数名の協力のもとに使用感の評価を依頼する予定である。
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Causes of Carryover |
当初予定した直接経費に比して、1)研究協力者(大学院生)の作業遂行能力が高かったため効率化した、2)デザイン実験における謝金が定訳図書の寄贈などにより抑制される傾向にあった、以上2つの理由によりスムーズに研究遂行されたため。 一方、研究機関で使用していたPC等の機器については老朽化を鑑みて更新するなど、物品系で想定以上に支出がなされているため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
適正執行を心がけながら、27年度も無駄のない使用を図る。特に、最終年度に予定していた海外中心の写真撮影旅行の費用については、定訳出版が25年度末に別助成獲得により一定レベルで終了していることを鑑み、使途の再検討を行う予定である。
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Research Products
(5 results)