2015 Fiscal Year Annual Research Report
迅速解析法による野菜の抗アレルギー活性成分の特定とその調理への影響
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25350096
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
田村 啓敏 香川大学, 農学部, 教授 (00188442)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 抗アレルギー成分 / QuEChERS法 / フラボノイド類 / 玉ねぎ / サツマイモ / ミント |
Outline of Annual Research Achievements |
アレルギー活性の高い食物の探索研究では、次の3点に着目し、研究を行った。1)タイと日本では、アレルギー患者数の違いがあることから、タイと日本の食品についてアレルギー抑制成分の存在量の違いを調査し、食品素材の違いからアレルギー疾患の違いがでているのではないかと予測して、実施した。2)この課題を解決するために、迅速な活性成分の特定を行う手法として、QuEChERS法を確立し、数多くのサンプルの分析、RBL 2H3細胞を使った活性試験を行った。3)その結果は、構造活性相関の手法を使い解析することとし、HPLCの各成分の存在量とRBL 2H3細胞からのヒスタミン放出率との相関性を相関係数から考察する手法により、活性の高い成分を特定する手法を今回の科学研究費により確立できた。、その有効性は国際学術論文にて紹介することができた。 以上、開発した研究手法を用い、タイと日本のサツマイモの成分分析とRBL 2H3細胞からのヒスタミン放出率に基づく相関係数から、タイと日本のサツマイモでは、鳴門金時芋が有効であり、未利用資源となる果皮(周皮)に抗アレルギー成分が多く、加熱調理によっても、分解することはなく、調理に伴い、機能性を損失することはないことが明らかになった。玉ねぎの研究では、栽培品種により抗アレルギー活性が異なり、香川県産の玉ねぎに活性成分が多く、活性物質は、Quercetin 4'-glucosideであることが判明した。Quercetin 4'-glucosideは配糖体のフラボノイドとしては最強の抗アレルギー成分であることがわかり、ミント類にも非常に高機能の高いメチル化フラボノイドが存在し、ピアソン相関係数を用いた成分の検索が有効であることが明らかになった。
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Research Products
(6 results)