2015 Fiscal Year Annual Research Report
亜熱帯地域の身近な自然環境を題材とした理科教員のための自然学習プログラムの開発
Project/Area Number |
25350259
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
杉尾 幸司 琉球大学, 教育学部, 教授 (20433089)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 理科教育 / 自然学習 / 教師教育 / 沖縄県 / 教員養成 / 亜熱帯地域 |
Outline of Annual Research Achievements |
身近な自然体験を通して、多様な生物の営みについて実感を伴った理解を図るためには、野外観察のための優れた学習教材が必要である。しかし、亜熱帯の自然環境にある沖縄県では、参考となる教材がほとんどなく、なかなか対応できていないのが現状である。そのため、本研究では3年間の研究期間を通して、教材として活用可能な動物についての調査研究を実施した。 身近な自然環境を学習するプログラムで動物を対象にする場合は、その動物が「生息地から移動せず、いつでもその場所に行けば確認できる」という生活様式である必要がある。具体的には「身近な海辺に生息する動物の教材化」の材料として、潮間帯上縁部の満潮でも水没しない地点に生息するコンペイトウガイEchininus cumingii spinulosus、潮間帯に生息する身近な二枚貝のヒメアサリRuditapes variegataとイソハマグリAtactodea striata、さらに「身近な亜熱帯林に生息する動物の教材化」の材料として、身近な緑地に生息する土壌動物を対象に調査研究を行った。 最終年度は、潮間帯に生息する埋在性二枚貝であるヒメアサリとイソハマグリの調査を実施した。調査の結果、イソハマグリは主に砂浜海岸で見られるが、その生息には、特定の海岸タイプ(開放的・保護的・包囲的)や底質の粒度組成、季節風などの風向きの条件が影響している事が明らかになった。また、ヒメアサリは主に干潟に生息しているが、その生息環境はイソハマグリに比べて限定されていることが明らかになり、教材として使用するには、ヒメアサリが適していることが明らかになった。また、小学校での授業実践として、小学校第3学年理科において「身近な地域の海岸で生き物を見つけよう」と単元名を設定して授業を実施し、教材の効果を確認した。
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