2015 Fiscal Year Annual Research Report
“東側”の原子力―旧ソ連邦・東欧諸国における原子力“平和利用”の展開に関する研究
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25350381
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
市川 浩 広島大学, 総合科学研究科, 教授 (00212994)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 原子力 / 平和利用 / 冷戦 / 科学者 / 技術移転 / 旧ソ連 / 東側諸国 |
Outline of Annual Research Achievements |
2015年5月にモスクワにおいて資料調査を実施した。ロシア科学アカデミー文書館における資料調査では、1955年8月の国連第1回原子力平和利用会議、およびその直前のタイミングで、モスクワにおいて開催されたソ連邦科学アカデミー「原子力平和利用セッション」に関連した資料を新たに発見し、そのいくつかを摘記、または複写した。これらを通じ、原子力研究分野の成果の国際化をめざすソ連邦科学アカデミーの1950年代半ばにおける動向について新たな知見をえることができた。また、ソ連における初期の放射線影響研究については、ロシア国立中央医科学図書館において文献調査を実施し、1955年に来日したアンナ・コズローヴァ博士の帰国後の動向など、貴重な研究情報をえることができた。9月には、ソ連から“同盟諸国”への原子力技術伝播の帰結等を探るため、ドレースデン近郊のHelmholtz-Zentrum, Dresden-Rossendolf(もとのドイツ民主共和国中央原子核研究所)を訪問し、古参研究員Wolfgang Matz博士らにインタビューし、旧東ドイツ初期の原子力研究開発に関する膨大な資料を提供していただいた。 これらを分析し、研究成果の発表にも努めた。とくに大規模な国際会議International Council for Central and East European StudiesのThe IX World Congressでの発表や学会欧文誌への投稿は重要な成果となった。
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