2013 Fiscal Year Research-status Report
疑似科学的言説の理解分析にもとづき科学コミュニケーションの増進方法を編み出す研究
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25350387
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
石川 幹人 明治大学, 公私立大学の部局等, 教授 (20298045)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊池 聡 信州大学, 人文学部, 准教授 (30262679)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 科学コミュニケーション / 科学リテラシー / 疑似科学 / 健康食品広告 / 批判的思考 / 創造性 |
Research Abstract |
高齢者を対象として、科学イメージや、健康食品・疑似科学への考え方を尋ねた質問紙調査を、シルバー人材センター研修参加者に対して郵送し、最終的に267人の回答が集まった(回収率46%)。選択肢と自由記述の結果をデジタル入力し、データ化された自由記述の回答からテキストマイニングの手法を使って、高齢者の科学イメージと健康食品のとらえ方が抽出できる見通しが立った。 科学コミュニケーションを考える上での示唆を得るため、潜在連合テスト(IAT)を用いて、「福島の農産品」が「危険」と潜在的に連合を持っているかどうかを検討し、「科学リテラシー尺度」や「批判的思考態度尺度」などと福島のイメージの間に、やや興味深い関連性が見られるようなデータが得られたので、実験を追加(被験者60名)した。福島の産品には、表向きの支援とはうらはらに潜在的に忌避する心理があるのではないかという観点の分析が深まる見通しが立った。 疑似科学とされるものを信じ込む背景の検討を行い、とくに健康食品の広告に関して広告主が行う説得戦略と、その対象となる消費者の認知的偏りについて、妥当性の高い諸仮説を立案した。 疑似科学とされるものを7つの評価基準で分析するために、いくつかの項目について情報収集を行った。それらをホームページサイトに公開する形式に向けて整備した。ホームページサイトにて、広告主と消費者、それに科学者が相互に創造的な科学コミュニケーションが行える環境構築をするために、応用可能な創造性研究成果を調査した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
アンケート調査は順調に行えたが、分析については計画通りの最終段階には至らなかった。 科学性評価に必要な情報収集は行えたが、評価の整理に携わる予定の補助研究員2名について、1名が長期入院、もう1名が本務の仕事が忙しくなり、作業の進行が遅れている。 ホームページサイトの議論促進研究に必要な情報収集は行えたが、予定していた保守要員について、データベースを扱う部分の保守の方法が当該要因の知識では及ばないことが後になってわかり、要員の交代などの対処が必要になった。
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Strategy for Future Research Activity |
老人クラブ連合会の総会で200名以上のアンケートを、前年度の高齢者のデータの分析結果をふまえた上で、問題点を絞り込んだ郵送調査を行う。この高齢者調査の一連の調査で得たデータをまとめる上で、高齢者に対する質問と同様の調査を若者で実施して対比する必要があるので、大学生を対象とした調査を信州大学・明治大学等で行う。これらを通して、科学的知識や興味、選好と疑似科学の捉え方の関連について要因を絞り込む。 科学性の評価を行ったデータを、ホームページサイトに順次公開し、そのデータの評価を消費者の観点、広告主の観点から行っていく。とくに、上の要因分析によって得られた知見から、科学性の評価基準を理解する上での専門家と一般市民のギャップを埋める方法を得て、具体的にサイトに展開していく。 また、サイトでの議論を開始し、その議論促進の方法を編み出すとともに、行き違いや誤解を防ぎ、創造的なコミュニケーションを生み出すための環境作りのノウハウを得る。さらにサイエンスカフェの運営を通して、一般にこうした活動を訴えていく。これらの積み重ねによって、集合知を健全化に向ける誘導方策を確立していく。 以上で得られた研究上の知見は、学術書や一般啓蒙書を通して広く世に問うていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
評価の整理に携わる補助研究員を2名予定していたが、1名が長期入院、もう1名が本務の仕事が忙しくなり、作業が中断したため、予定の支払いが発生しなかった。 ホームページサイトの保守要員を予定していたが、データベースを扱う部分の保守の方法が当該要因の知識では及ばないことが判明したため、予定の支払いが発生しなかった。 長期入院の補助研究員については退院したため、次年度に依頼できる見込みである。本務の仕事が忙しくなった補助研究員については、次年度の仕事が緩和されることから、これも次年度に依頼できる見込みである。 ホームページサイトの保守については、当初制作した業者に再度委託する予定であるため、次年度支出の見込みである。
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Research Products
(4 results)