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2014 Fiscal Year Research-status Report

疑似科学的言説の理解分析にもとづき科学コミュニケーションの増進方法を編み出す研究

Research Project

Project/Area Number 25350387
Research InstitutionMeiji University

Principal Investigator

石川 幹人  明治大学, 公私立大学の部局等, 教授 (20298045)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 菊池 聡  信州大学, 人文学部, 教授 (30262679)
Project Period (FY) 2013-04-01 – 2016-03-31
Keywords科学コミュニケーション / 科学リテラシー / 疑似科学 / 健康食品広告 / 批判的思考 / 認知心理学 / サイエンスカフェ / 高齢者福祉
Outline of Annual Research Achievements

前年度に、高齢者585名を対象として行った健康法を中心とした疑似科学的言説への態度調査データを分析した。その結果、疑似科学的言説の多くは単なる迷信ではなく理性的判断の対象となっているため、疑似科学信奉をしている高齢者に対して「それには科学的根拠が乏しい」と指摘すると、むしろネガティブな反応を引き起こす可能性が示唆された。この結果は、平成27年日本教育心理学会第57回大会で発表することとした。また、異なる母集団での疑似科学的言説に対する態度の特徴を調査するため高校生299名を対象として、高齢者と同様の質問紙による態度調査を行った。これについては、今後分析していく。
疑似科学とされるものの科学性評定サイト(http://sciencecomlabo.jp/)の試験運用を開始した。当面、コラーゲンやゲルマニウム、有機農業や電磁波有害説など24の項目について科学性を評定してオープンした。開始した評定においては、昨年度までの7つの評定基準に加え、社会的観点として公共性と応用性を新たに増やし、9つの基準にて評定している。科学か疑似科学か(その中間に「発展途上の科学」と「未科学」を設けている)について、より多角的な評定が行えている。閲覧者からの投稿も集まり始めており、科学コミュニケーションの拠点として充実できる見込みが立っている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

質問紙を用いた疑似科学的言説への態度調査は、多様な対象からのデータの収集および量的データの多変量解析が予定通り進行している。ただ、自由記述を中心としたテキストマイニング分析は必ずしも質・量とも分析に十分な記述が得られなかったことから、当初計画の分析とは異なる分析法の適用を検討している。
疑似科学とされるものの科学性評定サイト(http://sciencecomlabo.jp/)の試験運用を開始したところ大きな反響があり、各種検索サイトでも「疑似科学」で検索すると上位にランクされるようになった。当初、アンケート調査のかたちで別途、一般市民から意見を収集する計画であったが、サイト閲覧者の投稿から、かなりの情報が得られる見込みとなった。現在、最終年度に向けて順調な進展計画が立てられており、昨年度の遅れを取り戻した形になっている。

Strategy for Future Research Activity

疑似科学的言説に対する態度の特徴について、さらに多様な母集団と年齢層で検討するために、高校生・大学生での調査に加え、科学への関心や職業の専門性の異なる複数の集団を対象とした質問紙調査を実施する。この結果と前年度までのデータとあわせて分析することで、疑似科学的言説への態度の実相を明らかにし、疑似科学とされるものの科学性評定サイト(http://sciencecomlabo.jp/)の充実につなげていく。
また、当該サイトに寄せられている意見にもとづき、サイト機能の充実、評定項目の追加を行う。批判的意見については、その内容から疑似科学信奉の構造を分析し、科学的な批判思考が普及しない原因を究明していく。
さらに、これまでの科学コミュニケーションに資する知見をまとめて、学会での発表や学術誌への投稿を行う予定である。

Causes of Carryover

前年度に、作業予定者の入院等で28万円ほどの未使用繰越しが発生していたが、今年度は作業が計画以上に進み、前年度の未使用分もそのほとんどを使用できた。しかし、依然として4万5千円ほどを残している。

Expenditure Plan for Carryover Budget

翌年度の作業は順調の見込みのため、繰越し分も使用できる。

  • Research Products

    (4 results)

All 2015 2014 Other

All Journal Article (1 results) Book (1 results) Remarks (2 results)

  • [Journal Article] 錯覚と絵画のための心理学2015

    • Author(s)
      菊池聡
    • Journal Title

      教育美術

      Volume: 76 Pages: 30-33

  • [Book] 「超常現象」を本気で科学する2014

    • Author(s)
      石川幹人
    • Total Pages
      206
    • Publisher
      新潮社
  • [Remarks] 疑似科学とされるものの科学性評定サイト

    • URL

      http://sciencecomlabo.jp/

  • [Remarks] サイエンスカフェ~明治大学科学コミュニケーション研究所

    • URL

      http://www.itinfo.jp/scafe/

URL: 

Published: 2016-05-27  

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