2015 Fiscal Year Annual Research Report
疑似科学的言説の理解分析にもとづき科学コミュニケーションの増進方法を編み出す研究
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25350387
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
石川 幹人 明治大学, 情報コミュニケーション学部, 教授 (20298045)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊池 聡 信州大学, 人文学部, 教授 (30262679)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 科学コミュニケーション / 科学リテラシー / 疑似科学 / 健康食品広告 / 批判的思考 / 認知心理学 / サイエンスカフェ / 高齢者福祉 |
Outline of Annual Research Achievements |
疑似科学とされるものの科学性評定サイト(http://sciencecomlabo.jp/)の本格運用を開始した。評定項目は前年度までの24項目から32項目に増やした。その詳細化の過程で、評定項目の見直しをする必要性が生じた。検討の結果、前年度までの9条件から、冗長であった1条件を削除し、新たに2条件を追加した。最終的に、次の10条件で確定し、前年度までの評定24項目についても全て評定し直した。 理論の論理性、理論の体系性、理論の普遍性、データの再現性、データの客観性、データ収集の理論的妥当性、理論によるデータ予測性、社会での公共性、議論の歴史性、社会への応用性。 また、評定結果レベルについても、従来の科学、発展途上の科学、未科学、疑似科学の4段階とは別に、予防原則にもとづいた判断留保を加えた。現在のところ電磁波有害説がその評定に該当している。 本サイトは、本格運用1年で訪問者のべ15万人、50万ページビュー、約500件のコメントを集め、疑似科学とされるものの科学性評定に関する科学コミュニケーションサイトとして定評を確立したと評価できる。そして、このサイト運営に関して科学技術社会論学会実践賞(柿内賢信記念賞)を受賞した。 また、集まったコメント(全コメントを公開している)から、サイトの今後の発展可能性も展望できる。さらに、市民の疑似科学信奉の心理構造についても、コメントから伺い知ることができる。他の意識調査とも連携することによって、その心理構造の世代間相違、性格や態度との連関性などが、今後明らかになって行くことも期待できる。科学コミュニケーション研究のための情報拠点として貴重なものとなった。
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Research Products
(6 results)