2015 Fiscal Year Annual Research Report
市民・地域との連携による資料所在マップの作成とその活用
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25350408
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Research Institution | Natural History Museum and Institute, Chiba |
Principal Investigator |
島立 理子 千葉県立中央博物館, その他部局等, 研究員 (00332354)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八木 令子 千葉県立中央博物館, その他部局等, 研究員 (00250134)
小田島 高之 千葉県立中央博物館, その他部局等, 研究員 (70250131)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 社会教育施設連携 / 地域連携 / エコミュージアム / 資料救済 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は地域との連携の活動して以下を実施した。一つ目は、博物館と公民館、地域の人々が行っている地域に残る「資料」の保存活動である「おばちゃんの畑」プロジェクトで保存している在来作物の植物画の展示である。植物画の展示は、博物館、公民館、図書館、NPO運営の画廊で巡回して行った。二つ目は公民館で活動している古文書サークルと博物館が連携して、古文書サークルが解読した古文書を博物館と共同で印刷物として発行した。これらの活動を通して、地域の人々にとって身近な、当たり前の物が実は大切な「資料」であることを認識するようになった。 資料マップづくりも併せて行った。マップは公民館、図書館と連携して収集した小糸川・小櫃川流域の妖怪・怖い話を掲載し、ウエブ上で公開した。各館に設置したボックスに地域の人々が情報を入れてもらい、それをもとに作成したもので、まさに地域の人々と共同での作業となった。研究を始めた当初は、様々な種類のマップの製作を考えていたが、資料情報を公開することについては慎重な意見等もあり見送ることとなった。 このような活動の中で、27年度中には、県内の様々な社会教育施設による資料レスキューが行われた。資料のコレクターが資料を手放すという緊急事態が発生した。その際、大量の資料をいくつかの博物館、図書館が分担して収蔵することになった。このような、活動が可能となった背景には、様々な機関との常日頃からの連携や協働があったからに他ならない。 当研究の目的の一つは、地域の人々が地域の文化財を知り、大切にしていくことが可能になると同時に、万が一の災害や緊急事態の際に資料を守る体制を作り出すことにある。実際の緊急事態にあって、地域の様々な機関の連携が機能したこと。その背後には常日頃からの関わりが大切であることが改めて認識された。
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