2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25350455
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Research Institution | Bunkyo University |
Principal Investigator |
石井 信明 文教大学, 情報学部, 教授 (40406426)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高野 祐一 専修大学, 公私立大学の部局等, 講師 (40602959)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 上流工程 / プロジェクトマネジメント / 競争入札 / コスト見積 / EPC契約 / 受注戦略 / 受注産業 |
Outline of Annual Research Achievements |
社会基盤構築をはじめとする大規模プロジェクトでは、人々の安心・安全を損ないかねないトラブル事例が多発している。それらの多くは、プロジェクト立ち上げ前の超上流段階におけるプロジェクト計画の不備に要因があるといわれる。 本研究では、プロジェクトを成功に導くために、プロジェクト開始以前の超上流段階において質の高いプロジェクト計画を効率的に立案する手法の研究開発として、①超上流段階におけるプロジェクト計画立案手法、②超上流段階の進捗管理手法の研究開発を目的としている。 今年度は、超上流段階の要求仕様が含む情報の不確実性を前提としたプロジェクト計画の要件およびプロジェクト管理指標のあり方として、昨年度に引き続き、超上流段階におけるプロジェクト選定と見積を取り上げ、見積り評価モデルの拡張を行った。すなわち、超上流段階へのリソース投入量によるコスト見積精度と利益などのプロジェクト成果指標との関係について統合的なモデルを作成した上で、数理的なアプローチにより、利益を最大化する入札価格の算出方法を提案した。 また、超上流段階の作業進捗について、作業の過程で変化するコミュニケーション量に視点を当てたマネジメント手法を検討した。これらの研究成果は、国際ロジスティクス学会(SOLE)、Advanced in Intelligent Systems and Computing誌(Springer)、横幹連合シンポジウムにて公表した。 さらに、超上流段階の進捗管理手法として、進捗管理の評価指標、進捗計画、差異分析、コントロールからなる超上流段階の進捗管理のフレームワークに基づき、見積段階作業に関するシミュレーションモデルの作成と予備的検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は、プロジェクトを成功に導くために、超上流段階において質の高いプロジェクト計画を効率的に立案する手法の研究開発にある。 そのために昨年度に引き続き、超上流段階におけるプロジェクト選定と見積を取り上げ、それらの方法論、マネジメント手法、シミュレーションモデルの検討を行った。その結果、昨年に明らかにした超上流段階へのリソース投入量によるコスト見積精度と、利益に基づくプロジェクト成果との関係から、期待利益を最大化する入札価格の決定手法を提案した。また、超上流段階のプロセスと見積精度、プロジェクト成果の関係を明らかにするためのシミュレーションモデルの作成を行った。 以上のように、研究目的に照らして、おおむね計画の通り進んでいると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究では、超上流段階におけるプロジェクト計画立案手法について、これまでの研究成果を基に、オーダー量の変化など動的な環境変化を考慮した拡張を行う。すなわち、遂行中のプロジェクト状況の変化と超上流段階におけるプロジェクト計画の状況から、オーダー選定、あるいは、見積り段階におけるプロジェクトの受注計画を見直すことで、より質の高いプロジェクト計画を効率的に立案する手法の研究を進める。 また、超上流段階の進捗管理手法の研究について、これまでに検討を行ったシミュレーションモデルの実装と検証を行う。モデルの検証とデータの収集のために、有識者からの意見聴取に加え、コスト見積関係のデータ、および、文献の調査を継続する。
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Causes of Carryover |
昨年度は、数理計画用ツールの購入と、プログラミング作業の工程を見直したために、使用額に差額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度は、次の様に研究費の支出を計画している。 ・数理計画用ツールとコンピュータ環境の整備 ・研究成果の実装のためのプログラミング作業 ・研究成果公開様Webページ製作 ・情報収集のための謝金、旅費 ・研究成果発表のための国内外旅費および発表費用
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