2013 Fiscal Year Research-status Report
除皮質ラット灌流標本を用いた吸啜・咀嚼運動の生後発達変化の解析
Project/Area Number |
25350622
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
中山 希世美 昭和大学, 歯学部, 助教 (00433798)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢澤 格 昭和大学, 歯学部, 講師 (40360656)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 顎運動 / 摂食 / 発達 |
Research Abstract |
吸啜から咀嚼への摂食運動転換のメカニズムを調べるために、体外循環法により幼児期から成体の齧歯類を生かすことの出来る"A decerebrated and arterially perfused in situ rat preparation"を作成し、生後5日~21日までのラットで、三叉神経、舌下神経の活動を調べた。この標本では、ほとんどの場合、吸気の際に開口運動が見られ、舌下神経および開口筋を支配する三叉神経の活動が、吸息時に活動する横隔神経の活動と共に現れた。このような活動のパターンは、実験を行った生後5日~21日までの間で変化しなかった。また、人工体液の灌流量を変化させても、基本的な呼吸に伴う神経活動パターンは変化しなかった。呼吸の頻度は、人工体液の灌流量を増加させることによって増加していった。これは、灌流量の増加に伴い、標本の交感神経活動が増強されたためと思われる。 しかしながら、一部の標本では、標本の作成方法が同じであるのに関わらず、横隔神経の活動と逆位相で、三叉神経の活動が見られた。これは、一部の標本では、呼息時に開口運動が起きていることを示している。このような状態になる原因を調べるために、標本の呼吸状態を変化させる実験を行った。その結果、人工体液中にシアン化合物を投与することにより、末梢および中枢の化学受容器の活動を変調させると、投与前には吸息時に見られた三叉神経活動が、呼息時にシフトすることが確認された。これらの結果から、呼吸状態の変化により、開口運動のパターンが変化することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、体外循環法によるラット灌流標本の基礎データを取得し、顎顔面領域の神経活動の記録に最適な条件設定をすることを目標にしていた。当初の目標通り、標本の基礎データを取得することが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、電気刺激等を行うことにより、吸啜・咀嚼運動を誘発する条件を確定していく。また、動物の日齢による神経活動の違いを検討していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度は、当該助成金により行った研究に関する論文投稿を行わなかったため、論文作成および論文投稿代がかからなかったため。 昨年度からの持ち越し分は、論文投稿代にあてるとともに、今後、薬品および刺激のための電極に経費がかかると思われるため、その購入に充てる。
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