2015 Fiscal Year Annual Research Report
超高速統計学習に基づく下肢筋電を用いた立ち上がり動作補助システムの基盤的研究
Project/Area Number |
25350669
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
福見 稔 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (80199265)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 筋肉電位 / Simple-PCA / Simple-FLDA / 統計学習 / 足首動作 |
Outline of Annual Research Achievements |
本科研費研究では,足首の筋肉電位(EMGと略記)による動作分類システムの開発が目的である.本研究では既に足首の底屈と背屈,およびニュートラルの状態を認識できることを確認している. 本年度は立ち上がり動作のモデリングを実施するため,立ち上がりの分類を含めた6動作の識別を行った.足首でEMGを計測するが,EMGセンサ(電極)は乾式電極を使用する.EMG計測位置は,足首の長母趾伸筋,ヒラメ筋,前頚骨筋部分である.3,000Hzの波数でサンプリングしてデータを切り出し(約1秒間),周波数変換している.本年度は,立ち上がり動作のモデリングを行うため,立ち上がり動作を細かく分割してそれらの状態の変位を調査している. 立ち上がり動作における時間長は平均約1秒であった.そのため,動作開始時から1秒程度の計測データを使用した.そして,切り出したデータを3等分し,立ち上がり動作を3クラスに分割することにした.したがって,計測動作の分類は,底屈,背屈,ニュートラル,立ち上がり3動作とした.FFT後のスペクトルをSimple-PCA(主成分分析の近似法)で学習し,次元圧縮した後,SVM(サポートベクタマシン)で学習識別を行った.この方法を用いて手首EMGでも高精度化できることを確認した.その結果,以前に実施した底屈,背屈,ニュートラルの認識では,95%以上の精度が得られていたが,立ち上がり動作を加えた場合には,認識精度は約62%程度となった.データ分布を固有空間上で確認すると,立ち上がり動作のデータがニュートラルと近い分布となっていることが示された.これは,立ち上がり動作時のEMGの発生量は底屈・背屈と比較してかなり小さな値となっていることが主因である.これは足首でバランスを取ることが膝下筋肉の主要な働きの一つであることが推察できる.今後はEMGの正規化を含め,精度改善をさらに進めたい.
|
Research Products
(1 results)