2015 Fiscal Year Annual Research Report
建築気候を考慮した学校環境の安全性に関する基礎的研究
Project/Area Number |
25350946
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Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
岩下 剛 東京都市大学, 工学部, 教授 (90253905)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 学校事故 / 熱中症 / 冷房 / 換気 / 二酸化炭素 |
Outline of Annual Research Achievements |
学校管理下で発生した事故データと事故発生時の気象データとをマッチングさせ、気象データから推測される建築気候と学校事故発生との関係を調査した。学校教室への冷房機器の導入率が異なる2地域の校舎内事故発生の差異を調査した結果、冷房導入率の高い地域では、図工等の実技時間帯における切創等の事故発生が減っていることがわかった。また、外気気象データと校舎内熱中症発生との関係を求めたところ、WBGT(湿球黒球温度)と熱中症発生率との相関が高かった。WBGT上昇が体育館内での熱中症発生オッズ比に及ぼす影響は、校庭における影響の度合いと等しく、体育館内での熱中症対策の必要性が示唆された。校庭の芝生化は学校行事実施時における事故発生を減少させる傾向がみられた。晴天時に対する雨天時の事故発生率に着目すると、幼稚園では雨天時の事故発生率が、中学に比べ高く、雨天時の幼児の室内行動に注意を払う必要が確認された。 首都圏のある自治体の有している学校空気検査データを収集し、実測結果を考察した。 冬季に実施された学校空気検査において、室内空気汚染の指標の一つである二酸化炭素濃度をみると、中学校教室においては測定平均値が学校環境衛生基準である二酸化炭素濃度1500ppmを超えていた。中学校教室は小学校比べ、窓の開放率が低いことがの要因の一つと考えられる。また、延床面積が8000平方メートルを超える特定建築物相当の学校における空気環境測定結果を考察したところ、やはり中学校教室における窓開放頻度の少なさ、二酸化炭素濃度の高さが散見された。測定データの現場へのフィードバックをより頻繁に行う必要があると考えられる。
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Research Products
(7 results)