2013 Fiscal Year Research-status Report
学校教育環境における健康相談活動支援システム開発に関する基礎的研究
Project/Area Number |
25350950
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Shizuoka Sangyo University |
Principal Investigator |
渡邉 志 静岡産業大学, 情報学部, 講師 (60455144)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 有二 静岡産業大学, 情報学部, 教授 (30387518)
塚本 博之 静岡産業大学, 情報学部, 准教授 (10308702)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 主観評価測定 / 加速度脈波解析 / 主観評価と生体信号解析との相関 / 被験者の分類 / 健康相談活動支援 |
Research Abstract |
本研究では、学校における健康相談活動を支援するシステム構築に必要となる基礎的事項を開発することを目的としている。 本年度は、「健康相談支援ツールの開発」を主なテーマとして研究を行ってきた。具体的な研究項目としては、「学生生徒の微妙な感情を反映することを目指したVisual Analog Scale(以下「VAS」と称する)による主観評価測定」と「健康相談ツールの開発を目指した加速度脈波解析による自律神経活動の推定」を研究の二本柱とした。そして、両者を「学校教育環境における健康相談活動支援システムへの応用を目指したVASによる主観評価測定と加速度脈波解析による自律神経活動の推定の相関」というような昇華を図るべく研究活動を実施してきた。 まず、VASによる主観評価測定については、「自己の情報スキル」についてVASを応用した質問紙により、548名に対する主観評価測定を実施した。その結果と関連した先行研究を踏まえ、VASによる主観評価が学生生徒の微妙な感情を反映できると考察した。このことから、VASの活用(例:VASを携帯端末に搭載する)により、今後の健康相談支援ツール開発に対して十分応用可能なものと考えている。 一方、画像や楽曲・音源といった視聴覚刺激が提示された場合の自律神経活動に与える影響を加速度脈波解析により実施した。さらに、VASによる主観評価測定(被験者が感じたリラックス度や提示された視聴覚刺激の印象等)により、被験者の感覚と自律神経活動の挙動との相関についての考察も試みた。これらの結果、自律神経活動の挙動と主観評価測定の相関を考察することにより、被験者の微妙な感情を二つの指標の複合体として表現できる示唆が得られた。このことから、生体信号解析と主観評価測定の両者の結果を複合させた定量的表現による健康相談ツールが作成可能と考えるに至った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「学生生徒の微妙な感情を反映することを目指したVisual Analog Scale(以下「VAS」と称する)による主観評価測定」に関連した知見を1件の学会口頭発表につなげている。 一方、「学校教育環境における健康相談活動支援システムへの応用を目指したVASによる主観評価測定と加速度脈波解析による自律神経活動の推定の相関」に関連した知見について5件の学会口頭発表を行っている。 また、本研究の展望と具体的展開について、研究代表者所属機関の研究者を対象に講演をする他、研究代表者所属機関の紀要論文として成文化している。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の知見を応用し、従来質問紙で実施していたVisual Analog Scale(以下「VAS」と称する)を応用した主観評価測定について、携帯端末により実施可能でかつデータをサーバに蓄積できるものとしたアプリケーションソフトウェアを開発していく。開発されたアプリケーションソフトを携帯端末に実装し、評価実験等を通じてより有益で使いやすい健康相談ツールとすべく、開発に努力していきたい。 一方で、加速度脈波解析による自律神経活動の挙動測定とVASによる主観評価測定の相関を考察することにより、被験者の微妙な感情を二つの指標の複合体として表現できる示唆が得られている。このことを踏まえ、今後は、生体信号解析と主観評価測定の両者の結果を複合させた定量的表現による健康相談ツールを実現化すべく、基礎的データの収集に努めていきたいと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
繰越金が生じた理由としては、購入した物品について2月末の決済時に学内研究費で決済したためである。次年度に繰り越して、次年度の助成金と合わせて適切に使用したいと考えている。 本年度の知見により、学会誌への論文掲載が見込まれる。その投稿料・別刷り製作費として10万円を考えている。さらに、学会等での成果発表や研究打ち合わせのための旅費として30万円を考えている。一方、携帯端末の購入費に5万円、プリンタトナーやインクなどの消耗品費に5万2034円を計画したい。 なお、次年度において、人件費や謝金は発生しない見込みである。
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Research Products
(8 results)