2015 Fiscal Year Annual Research Report
分析哲学とドイツ観念論の連携およびそのグローバルな意義
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25370018
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
入江 幸男 大阪大学, 文学研究科, 教授 (70160075)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 意味の全体論 / 価値実在論 / ドイツ観念論 / フィヒテ / 問答意味論 / ブランダム / 推論主義意味論 / 問答論的矛盾 |
Outline of Annual Research Achievements |
H27年度は、2015年4月22日(水)~24日(金)大阪大学豊中キャンパス文学研究科本館で国際研究会議「THE CONFERENCE ON TRANSCENDENTAL PHILOSOPHY AND METAPHYSICS」を開催し、超越論的論証の可能性を検討した(参加者:USAから4名、カナダから1名、イギリスから1名、ドイツから1名、中国から1名、国内3名)。 この成果は、論文集として Transcendental Inquiry: Its History, Methods and Critiques, ed. by H. Kim and S. Haelzel, Palgrave Macmillan, 近刊の予定である。5月にはイギリスから価値実在論者のNick Zangwillを招いて意見交換を行い立ち遅れている価値実在論について意見交換した。9月にはマドリッド(スペイン)で開催された国際フィヒテ学会で発表した(この成果はいずれFichte-Studienに掲載の予定である)。今年度後半にはサバティカルを利用して、2015年10月16日から1月16日までピッツバーグ大学に客員研究員として滞在し、ロバート・ブランダム教授の下で、彼の推論主義意味論を問答の観点から拡張するための研究に取り組んだ。今年度の研究成果の一つは、フィヒテ研究の上では難問とされてきた問題、前期フィヒテが物自体を否定したにも関わらず、後期になって知とは独立した存在を認めるようになる理由についての新しい説明を提案し、観念論を徹底することの困難を明らかにしたことである。第二は、問答論的矛盾という新しい概念の提案と、それにもとづいて、コミュニケーションの超越論的な条件のいくつかを論証したことである。
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Research Products
(11 results)