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2014 Fiscal Year Research-status Report

柳亭種彦の総合的な研究―種彦の吉原研究を中心に―

Research Project

Project/Area Number 25370229
Research InstitutionJissen Women's University

Principal Investigator

佐藤 悟  実践女子大学, 文学部, 教授 (50178729)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2017-03-31
Keywords柳亭種彦 / 七変化女目鬘 / 正本製 / 遊女評判記 / 還魂紙料 / 地本問屋 / 浮世絵 / 出版
Outline of Annual Research Achievements

江戸期の記録では知られていたが、存在が確認できなかった柳亭種彦作・歌川国貞画「七変化女目鬘」を発見し、『浮世絵芸術』168号に写真版で紹介し、翻刻を付し、解題を加えた。同作品は2014年10月から11月にかけて開催された太田記念美術館「歌川国貞展」に貸し出され、広く一般に知られることとなった。この作品により草双紙と浮世絵の密接な関係を説明することが可能となった。また板元の鶴屋金助と種彦の関係についても考察を加えることができた。また同作品は女性語の研究資料としても重要である。
狂歌集を博捜することにより、柳亭種彦の新出の狂歌を見出すことができた。これにより種彦の年譜をさらに充実するとともに、文壇デビュー前の種彦を取り巻く狂歌壇の様相に新しい知見を加えることができた。
『正本製』における板元の西村屋与八と作者の柳亭種彦の関係を考察することにより、『正本製』が西村屋の浮世絵販売のための重要なツールとなっていたことを発見した。これにより地本問屋が草双紙と浮世絵の二つのジャンルをどのように扱っていたか、また大衆小説、商業出版の最たるものである合巻が
柳亭種彦の作品の中でも重要なジャンルである『還魂紙料』などの考証随筆の中に使用されている遊女評判記等の記述の抽出をおこなった。また吉原細見の現物、および写真の収集を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

研究実績の概要でも記したように、種彦の伝記研究に関しては新資料の発見等により充実させることができている。
また膨大な資料を収集整理している最中であるので、さらなる成果が期待できる。

Strategy for Future Research Activity

柳亭種彦研究の基本は年譜であるので、年譜の充実を図る。
柳亭種彦以外の合巻と種彦の合巻を比較することにより、画像のありかたについての研究を推進していく。
天保改革の種彦に与えた評価を考察するためには種彦没後の弘化・嘉永期の出版統制のありかたを考察する必要があろう。もしかしたら天保改革における規制の大きさを『天保改革鬼譚』などのイメージから過剰に評価している可能性がある。それについての考察も必要になる。
『正本製』における遊郭表現が文化文政期のものか、元禄以前のものかに関する研究を行う。そのためには揚屋図の研究が必要になろう。
今年度は種彦と西村屋与八の関係についての論文を執筆する予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2015 2014

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] 柳亭種彦「七変化女目鬘」影印と翻刻、解題2014

    • Author(s)
      佐藤悟
    • Journal Title

      浮世絵芸術

      Volume: 168 Pages: 63-69

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 絵本としての『正本製』―浮世絵との 関連において―2015

    • Author(s)
      佐藤悟
    • Organizer
      演劇研究会
    • Place of Presentation
      同志社大学
    • Year and Date
      2015-01-24

URL: 

Published: 2016-05-27  

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