2015 Fiscal Year Annual Research Report
アガンベンの哲学を反映するアメリカの詩人パーマーの作品の分析
Project/Area Number |
25370279
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
山内 功一郎 静岡大学, 人文社会科学部, 准教授 (20313918)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 文学 / 哲学 / 詩 / アメリカ / イタリア |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度の研究実績は、以下の問題をめぐりまとめられた――「アメリカの詩人マイケル・パーマーの作品は、イタリアの哲学者ジョルジョ・アガンベンの理論をどのように反映し、同時代の社会に対して担うべき役割を果たしているか」。研究代表者としては、3年にわたる研究期間の中で収められた成果を、具体的でわかりやすい形で発信することを心がけた。 特筆すべき実績としては、平成27年12月24日に単著の研究書『マイケル・パーマー――オルタナティヴなヴィジョンを求めて』を思潮社から刊行した事実を挙げることができる。全279ページに及ぶ同書の中でも、とりわけ第3章はパーマーの詩作とアガンベンの思索を直接取り上げた論考となっており、研究成果を一般読者にも理解しやすい形で具体化できた。その結果、同書は詩論書として平成28年2月29日に鮎川信夫現代詩顕彰会が主宰する第7回鮎川信夫賞を授与された。 その他の成果としては、平成27年6月13日にアメリカ文学者の原成吉氏(獨協大学教授)を静岡大学に招聘し、アメリカを代表する詩人の一人として知られるゲーリー・スナイダーをめぐる講演会を実施したことを挙げるべきだろう。この講演会には、多数の学生に加え学外の研究者や一般の方たちも足を運んだので、スナイダーの提唱する「生態地域主義」について様々な角度から検討する機会となった。スナイダーとパーマーは多くの点において対照的であるだけに、アメリカ詩の世界内でパーマーとアガンベンをめぐる本研究の位置付けを確認する上でも極めて有効な講演会となった。
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Research Products
(5 results)