2014 Fiscal Year Research-status Report
近代ロシア文学創成の環境―貴族屋敷(ウサーヂバ)の文化的・社会的ランドシャフト
Project/Area Number |
25370345
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
坂内 徳明 一橋大学, 名誉教授 (00126369)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥山 祐介 千葉大学, 文学部, 准教授 (40466694)
金澤 美知子 東京大学, 人文社会系研究科, 教授 (60143343)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 貴族屋敷文化 / 近代ロシア文学 / ランドシャフト / 貴族蔵書 / 庭園表象 / ウサーヂバ文学史 / 日常史 / 文化資源 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は本研究の第二年度にあたることから、第一年度の準備段階を足掛りとして大きく踏み出すことができた。具体的には、(1) 研究代表者ならびに研究分担者、研究協力者の間の協力関係を強化すべく緊密な連絡を取り合い、研究内容に関する頻繁な意見交換を行うことができた。通常の連絡は当然のことながら、日本国内の研究分担・協力者とは平成26年8月に会合を開き、研究内容と方向性について多くの議論を行ったほか、海外(ロシア)の研究協力者三名とは、平成26年8-9月の出張(科研費使用)ならびに平成27年3月のロシア訪問(私費)の際、これも多くの情報交換と議論を重ねることができた。特に後者に関しては、現地調査のサポート、最新研究動向の教授ならびに専門的情報の享受を受けたことは大きな収穫である。(2)本研究の主要な対象である貴族屋敷の現地調査に関しても、多くの成果を得ることができた。上記のロシア訪問時に、ノブゴロド地方チュードヴォ近郊に位置する、19世紀前半に活躍した政治家アラクチェエフの屋敷跡(グルジノ村)と作家ネクラソフの屋敷(現ミュージアム)、ペテルブルグ郊外の旧ゼルノヴォ村ならびに18世紀末の政治家ベズボロトコの屋敷等の現状を調査できた。3)さらに、研究成果の刊行時期に関しては、ロシアの研究者たちとの連携が想定以上にスムーズに進み、より早い刊行が可能である見通しとなった。したがって、成果報告書は27年度の半ばまでに刊行することが検討されており、さらにもう一冊の成果報告書も第二巻として年度内に刊行することも視野に入れているのが現状である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
上の「研究実績の概要」に述べたように、成果報告書が当初の計画よりも早く、平成27年度の半ばを目途に刊行準備が行われており、さらに第二冊も準備する可能性が検討されていることが現時点までの達成度を示すものである。また、現在、報告書刊行に向けて集められ、整理中の原稿も、分量・規模だけでなく、内容の面から見てもきわめて高度であることも本研究の進捗状況が進んでいることを物語っている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度が本研究の最終年度に当たることから、これまでの研究の総括を行い、必要であれば、現地での追加調査も行いたいと考えている。成果報告書の刊行を確実に行うことは、上記の通りである。また、第二冊目の報告書の刊行に関しては、特に国内の研究分担者の専門領域である18世紀を中心としたロシア文学とウサーヂバの関連性に関する研究を中心として、18世紀より現在までのウサーヂバ研究の総括とすべく、さらに研究全体を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
当初から、本研究の最終年度である平成27年度には成果報告書を刊行することを計画していた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記のとおり、成果報告書の刊行を27年度半ばまでに実現する。あわせて、そのための打ち合わせも含めて現地ロシアへの旅費ならびに追加調査・研究のための物品費の使用を計画している。
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Research Products
(2 results)