2014 Fiscal Year Research-status Report
移動する作家たちの東アジア:交渉の場としての文学運動
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25370414
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
平田 由美 大阪大学, 文学研究科, 教授 (60153326)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 移動文学 / 国際主義的文学運動 / 戦後文学 / 在日朝鮮人文化運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
z(1)7月23日~25日:プロジェクト・メンバーとともに長崎県でのフィールドワークを行った:浦頭引揚記念平和公園(旧厚生省佐世保引揚援護局検疫・佐世保市針尾)、基地関係施設(米海軍佐世保基地・佐世保市)崎戸歴史民俗資料館および併設の井上光晴文学館(西海市)、遠藤周作文学館(長崎市)、大村入国管理センター(大村市)等において、引揚げ・移動文学に関する現地調査。 (2)10月4~5日:ブレット・ド・バリー(コーネル大学)が立命館大学国際言語文化研究所主催の連続講演において、「戦後日本文学と国民国家論――廃墟の光を求めて――」)と題する報告を行うために来日する機会を捉えてメンバーが講演会に参集し、あわせて研究打合わせ会を持った。 (3)10月20日:パク・ノジヤ(オスロ大学)、イム・キョンファ(インハ大学)と近代東アジアの文化交流、現代韓国における「不法滞在者」問題の問題化などについて情報交換を行い、あわせて京都大学人文科学研究所での資料調査を支援した。 (4)11月24日:プロジェクトの国内メンバーに長志珠絵(神戸大学)を加えて、研究会(西川祐子報告「続々・古都の占領」)を行った。 (5)単独の資料調査として、神奈川近代文学館、滋賀県立大学等での資料調査を行った。また上記の研究協力者に加えて、ユン・サンイン(ソウル大学)、イ・ハンジョン(サンミョン大学)、孫歌(中国社会科学院文学研究所)ら韓中の研究者との研究情報の共有と意見交換を継続した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
プロジェクト・メンバー7人の日程を合わせることが困難だったため実施することを見送った昨年度計画の現地調査を完了させることができたため、当初の研究計画に従った作業を進めることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度末(2015年3月31日~4月3日)にシアトルでの開催が予定されているAAS(アジア研究学会)大会においてパネルを構成し研究成果の発表を行うことを目標として、研究成果を具体的な形にとりまとめることに注力する。
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Causes of Carryover |
2014年度の研究成果は個別の研究発表として小規模に行うことを計画していたが、調査分析作業の進捗により、研究成果を全体として発表することが可能かつ望ましい状況に至っている。このため、2015年度にシアトルで開催予定のアジア研究学会でプロジェクト・メンバー3~5名によるパネルを組織することとし、本年度予算として計上していた旅費を次年度に使用することにした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2015年3月~2016年4月に開催される学会に参加するための外国旅費(日本-シアトル間航空運賃および滞在費・日当×2名分)として使用する。
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