2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25370435
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
高橋 美奈子 琉球大学, 教育学部, 准教授 (60336352)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 日常の話しことば / 現代沖縄社会 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、現在を生きる沖縄の人々の自然談話を収集し分析することで、メディアによる架空のステレオタイプ的イメージではない現実の話しことばの実態を明らかにすることを主たる目的とした探索的研究である。 平成26年度の調査では、平成25年度に収集した自然談話の録音データを文字化データとして作成するための作業を主に行った。本研究では、沖縄県で言語形成期を過ごした10代から70代までの7世代、それぞれ男性、女性各2名の計28名の調査協力者の方に相手との関係性や場面のことなる3場面以上の日常談話を録音してもらったが、平成26年度はまず全ての録音データを聞き、データに不備がないかどうかの確認作業を行った。不備のあるデータについては、再度、インフォーマントを探し録音依頼を行い、補充データの収集作業も行った。その後、各インフォーマントにつき約30分(1場面約10分×3~4場面)の文字化を行うための録音データの抽出作業を行った。次に、第1次文字化作業として、専門業者に抽出した録音データ(約30分×28名分)を文字化依頼し、その後、第2次・第3次文字化作業として、音声との照合作業ならびに文字化の原則に従った、データの整備を行った。 本年度は、これらのデータ整備作業に加え、文字化データ作成のための文字化の原則の検討について、様々な専門家から専門的知識を提供してもらった。また、最新の情報を得るために学会や研究会等にも積極的に参加し、必要な情報を得た。さらに、沖縄県の自然談話特有の分析観点についての一端を論文として発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究は、自然談話を録音するという非常にプライバシーにかかわる調査であることから調査協力者の確保が難しいと思われ、申請時の研究計画では、3世代の各男女2名、計12名のインフォーマントを予定していたが、各方面からの調査協力が得られ、計28名の調査協力者を確保することができた。しかし、そのため扱う録音データ資料が膨大になり、その確認作業や文字化のデータの精度を上げるための作業にかなりの時間を要することとなったから。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策であるが、平成27年度には、さらに最低2回ほどの文字化の確認作業工程を行った上で文字化データを完成させる予定である。その後、完成データを用いて談話分析を行い、研究成果を口頭発表あるいは論文という形で行う予定である。
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Causes of Carryover |
平成26年度中にデータを完成させる予定であったが、当初の計画よりインフォーマントの協力が得られ、データ数を大幅に増やしたことにより、そのデータの整備作業に時間を要し、本年度に計画した関連文献の収集を十分に行うことができず、平成27年度にその作業が持ち越されたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度は、平成26年度に計画した文献収集を行いながら、データを完成させる予定であるので、必要な文献購入やコンピューター備品、機材等を購入する予定である。また、その成果を研究会および学会等で発表する予定であるため、備品や機材および旅費に予算を使用する予定である。
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Research Products
(2 results)