2014 Fiscal Year Research-status Report
日本語自由会話における言いさし発話を含む連鎖の規則性に関する研究
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25370438
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| Research Institution | Meikai University |
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Principal Investigator |
荻原 稚佳子 明海大学, 外国語学部, 准教授 (10458482)
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| Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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| Keywords | 談話研究 / 日本語教育 / 言いさし / 会話の連鎖 / 異文化コミュニケーション / 相互行為の制度性 / 会話スタイル |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日本語コミュニケーションにおける言いさしを含む連鎖の制度性を発見することにある。26年度は、日本語母語話者（JNS)間の自由会話から、言いさしを含む会話の連鎖を抽出し、その会話の連鎖にJNSおよび、中国語母語話者（CNS)、韓国語母語話者（KNS)の会話で一般性があるかどうかを談話完成テストを使って確認することで、会話の連鎖の普遍性について調査した。
言いさしを含む会話の連鎖として、「①情報提供の言いさし―②補完―③補完内容の適切性確認」という共話を含む連鎖が18組のJNSのすべてのペアで発見できた。そして、40名のJNSに対して談話完成テストを行った結果、平均70.8％が「①情報提供の言いさし―②補完」の後に「③補完内容の適切性確認」を行うことが分かった。ただ、「①情報提供の言いさし」の後に、常に「②補完」を行うわけではなく、「①情報提供の言いさし―②補完」がなされた場合は、「③補完内容の適切性確認」を行うという一般性であり、一つ一つ確認しながら話を進めていく丁寧な会話のやり取りだとわかった。
次に、同連鎖について、CNSに対して談話完成テストを行った結果、平均67.2％のCNSが「①情報提供の言いさし―②補完」の後に「③補完内容の適切性確認」を行うことが分かったが、「①情報提供の言いさし」の後に「②補完」をするのは、平均2.3％に過ぎなかった。このことから、「①情報提供の言いさし―②補完―③補完内容の適切性確認」の連鎖はJNSとCNSにおいて一般性がかなり高いが、それは「①情報提供の言いさし―②補完」が成立したときに限り、その意味ではCNS間では出現可能性の低い連鎖であるとわかった。
さらに、日本語母語話者間の自由会話から抽出された会話の連鎖である「①質問―②応答―③繰り返し」について、会話スタイルとして、JNS・CNS・KNSに対してアンケート調査を行った。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度行う予定であった調査（日・中・韓国語母語話者への談話完成テスト）は終了しており、その結果を2本の論文にまとめることができた。韓国語母語話者について、まだ論文となっていない。
ただし、27年度に行う予定だった新たな会話の連鎖についてのアンケート調査を日・中・韓国語母語話者に対して先に行っている。
研究の進める順序を多少変更したが、研究全体としての進展としてはおおむね順調であると言える。
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| Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は以下の通り研究を進めていく。
（１）調査済みの韓国語母語話者への談話完成テストの結果を論文としてまとめる。
（２）新たな会話の連鎖である「①質問―②応答―③繰り返し」について、会話スタイルとして、日・中・韓国語母語話者に対してアンケート調査を行ったので、その結果について、それぞれ比較分析を行い、論文にまとめる。
（３）これまでの研究を総合的にまとめて、言いさしを含む会話連鎖の制度性についてまとめる。
なお、当初予定していた英語母語話者に対するデータ収集については、中級の上以上の日本語力を持つ被験者を一定数集めることが難しいと判断し、日・中・韓国語母語話者の3カ国の母語話者間で比較分析することと変更した。
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| Causes of Carryover |
アンケート調査のデータ整理と入力作業がまだ終わっていないため、その費用の一部が繰り越しされている。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
26年度に行ったアンケート調査の大量のデータ整理と入力作業をするために、作業補助を依頼し謝金が必要となり、その費用の一部に充てる予定である。
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Research Products
(2 results)
