2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25370490
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
井土 愼二 名古屋大学, 国際開発研究科, 准教授 (80419233)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 言語学 / ウズベク語 / 言語接触 / 母音体系 / タジク語 / 中央アジア / 新ペルシア語 / 母音推移 |
Research Abstract |
平成25年度は実施計画に従い、ウズベキスタンで複数のウズベク語(方言)話者による発音を録音した。録音に際しては、これも実施計画に従い、母音出現環境(母音に接する子音、音節の開閉、強勢の有無、語の音節数、音節の語中の位置)が統制された語彙リストを作成し、それを用いた。配列をランダム化した語彙リストの読み上げ及び独立した母音の発音を通して母音音素の音声や異音を得た。ただし、実施計画では調査後、大量となった録音データの整理のために協力者を得る予定であったが、母音音声を扱うに十分な知識と経験を持つ協力者を得られていない。 これも実施計画に従い、史料からのデータ取得を進めた。母音データの抽出の際の試行錯誤は抽出の手間を計画段階で想定したものを増大させたが、『回回館譯語』から中央アジアのペルシア語/タジク語の母音データの抽出を完了した。ティベリア式発音記号が付されたヘブライ文字で書かれた資料からの母音データの抽出は平成25年度は行えなかった。また、ニューヨークやイスラエルにあるブハラユダヤ人のコミュニティやトルコのテュルク語学者や中央アジア史研究者と連絡を取っての資料の入手可能性を探ることも平成25年度にはできなかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
史料からのデータ抽出と分析に要した時間と手間が想定を大きく上回ったこと、その過程で明初の中央アジアと明の交渉や明代の中国語の音韻についてある程度専門的に学ぶ必要が明らかになったこと、平成25年度の中途での奉職先と勤務地の変更及び研究室の引越しに伴う研究活動の中断、そして転出先での新しい業務や環境への適応のため。
|
Strategy for Future Research Activity |
実施計画では今年度も録音調査のため海外出張を行う予定であったが、平成25年度転出先(現在の本務校)において平成26年度夏季休暇中に二週間の出張(学務)が課されるため、その実行可能性が低くなっている。本研究課題の達成度自体が未だ低いので、これも時間と手間のかかることが予想されるティベリア式発音記号が付されたヘブライ文字で書かれた資料からの母音データの抽出は最終年度にまわすことを検討する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
録音データの整理に協力者を得るつもりだったが、「現在までの達成度」欄に述べたような理由もあり適当な人物が得られなかったことから人件費・謝金の支出が減った。 今年度の人件費か物品費に充当する。
|
Research Products
(1 results)