2015 Fiscal Year Annual Research Report
英語多読学習における評価の検証-言語テストの観点から
Project/Area Number |
25370741
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Research Institution | Osaka University of Economics |
Principal Investigator |
吉田 弘子 大阪経済大学, 経済学部, 教授 (50449857)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 多読 / 教育評価 / 多読テスト / EPERテスト / テストの実用性 / クローズテスト |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、近年の英語教育で導入が進んでいる英語多読学習の評価に焦点をあて、言語テストの3条件である信頼性・妥当性・実用性を中心に多読学習効果測定のテストを検証し、多読指導におけるあるべき評価方法を提案することを目的とした。研究では、次の3つのリサーチ・クエスチョンを設定した。 (1)多読テスト用に開発されたEPERテストは言語テストの3条件(信頼性、妥当性、実用性)をどのように満たしているか、また外部標準テスト等との関連はどの位あるのか。 (2)EPERテストの項目分析(受験者の英語力を適切に分別しているかどうか)の結果はどのようなものか。 (3)(1)、(2)の結果に基づき、多読学習効果を測定する望ましい新テストとはどのようなものであるか。 これらのリサーチ・クエスチョンのうち研究最終年度である平成27年度は、多読指導を実施している英語教員に実施したテストの実用性についてのアンケート調査を分析した。その結果、多読を実施している指導者は、読書量だけでなく外部テストや発表などの様々な方法を組み合わせて評価に組み入れていることが明らかになった。また、外部テスト利用への関心は高かったが、同時に費用への懸念も示された。さらに、テストは信頼性を担保するために一定以上の項目数が必要とされるが、アンケート結果では授業時間内に実施できるテストへの要望が高かった。テスト形式としては記述式を求める割合が多かったが、採点についてはマークシートによる自動採点の希望者が過半数を占めた。アンケート結果は日本多読学会に参加した多読指導者の回答に基づいており、必ずしもすべての多読テストの実用性に対する意見ではないが、今後は多読用評価テストを作成する際には、どのような対象集団向けのテストかを明確にしたうえで、実用性を考える必要があることが示された。
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