2016 Fiscal Year Annual Research Report
A Comprehensive Survey of Heian-era Manuscripts of the Daihannya haramitakyo; and Their Transformation into Resources for Historical Study
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25370819
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Research Institution | Nara National Museum |
Principal Investigator |
野尻 忠 独立行政法人国立文化財機構奈良国立博物館, その他部局等, 室長 (10372179)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎木 涼子 独立行政法人国立文化財機構奈良国立博物館, その他部局等, 研究員 (90530634)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 大般若経 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までに一通りの調査を終えていた慈光寺(埼玉県)所蔵『大般若経波羅蜜多経』152巻のうち、一部の巻を8月から9月にかけて再調査し、また追加の写真撮影を実施した。12月には宮内庁書陵部と国立公文書館に赴き、関連資料を調査した。 そうした原品調査と並行して、これまで3年間に作成した調書から起こした基礎データの整理を進め、必要に応じて僚巻の書誌情報を調査した。 そして、これまでの研究期間における成果を盛り込んだ報告書の編集を進め、3月に『慈光寺所蔵「大般若経(安倍小水麻呂願経)」の調査と研究』として刊行した。報告書には、慈光寺所蔵152巻すべての巻の図版を1カットずつカラーで掲載するとともに、紙幅をはじめとする152巻の基本情報を表形式で載せた。この一具の『大般若経波羅蜜多経』は、著名なものでありながら全貌が明らかでなかったため、図版での紹介は学界に益するところ大である。あわせて報告書には、図版や基本情報に基づく若干の考察と、訓点に関する論考を掲載した。
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