2013 Fiscal Year Research-status Report
サラワク・シブにおける華僑社会の形成と変容、対日歴史記憶に関する総合的研究
Project/Area Number |
25370824
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
山本 真 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (20316681)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯島 典子 広島市立大学, 国際学部, 准教授 (40552162)
三浦 哲也 育英短期大学, 現代コミュニケーション学科, 准教授 (80444040)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 華僑・華人 / 太平洋戦争 / サラワク / ボルネオ / 抗日運動 |
Research Abstract |
2013年度は、まず8月末から9月上旬に共同研究者である飯島典子(広島市立大学准教授)、三浦哲也(育英短期大学准教授)とともにマレーシア、サラワク州シブ市に赴き、太平洋戦争時期の日本占領についての現地調査を実施した。 シブ市においては、サラワク華族文化協会図書室やメソジスト神学院において歴史資料を収集した。また当時を知る華人の年配者から聴き取り調査を実施、またイバン族老人からも同様の聴き取りを行った。 次に2013年11月にサラワク州シブ市メソジスト神学院講師の黄敬勝氏を筑波大学に招へいし、サラワクにおける地域社会とキリスト教の関係について報告いただいた。併せて科研プログラムの進行につき山本、飯島、三浦で打ち合わせを行った。 さらに2014年3月には山本、飯島、三浦はともにサラワク州の州都クチン市を訪問し、 University Malaysia Sarawakで当科研に関わる研究報告を行うと同時にDepartment of Anthropology and Sociology,Faculty of Social SciencesのElena Chai Chin Fern (蔡静芬)氏と学術交流を行った。その後 Sarawak Museum Archives,Kuchingにおいて歴史資料を閲覧し、またクチン市内や近郊のBauにおいて老人から日本軍の統治時期に関する聴き取りを行った。さらにサラワクからシンガポールに移動し、シンガポール国立図書館や公文書館において科研のテーマに関する資料を収集した。 その他年間を通じ随時防衛省防衛研究所図書館や国会図書館に赴き戦前や戦中のサラワクに関する資料を閲覧した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マレーシアサラワクでのフィールドワークを実施するに当たりUniversity Malaysia Sarawakの協力を得てサラワク州政府から正式の調査許可を取得することに成功した。 それを背景に、研究代表者及び分担者がそろって初年度に2回の現地調査を実施し文献資料や聴き取り情報を蓄積することができた。加えて、サラワク州シブのメソジスト神学院の講師黄敬勝氏を筑波大学に招へいし学術交流を行い、協力関係を深めることができた。 調査の成果については「東マレーシア・サラワク華人社会と日中戦争・太平洋戦争 ―東マレーシア、サラワク州クチン・シブでの調査記録―」(仮題)として『中国研究月報』2014年5月号に発表予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の成果を基礎として、引き続き現地調査と研究者の招へいによる学術交流を積極的に行う。具体的には2014年8月にサラワク州シブとクチンを訪問し、資料収集と聴き取り調査を継続実施する。 2014年11月には現地での協力者であるUniversity Malaysia Sarawak Department of Anthropology and Sociology,Faculty of Social SciencesのElena Chai Chin Fern (蔡静芬)氏を筑波大学に招へいし学術交流を行う予定である。 加えて2015年3月にサラワク州北部のミリとブルネイ王国で日本統治時期に関する現地調査を行う。併せて課題に関わる研究発表を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
分担者の内、飯島氏と三浦氏が二人合わせて40,521円次年度に繰り越したが、これは概ね計画通りの支出であり、端数を無理に使い切らず、次年度交付額が減少することを見越して、次年度のサラワクでの調査旅費として繰り越したものである。 次年度はサラワクでの調査旅費に補てんする。
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