2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25370916
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
宮町 良広 大分大学, 経済学部, 教授 (50219804)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 経済・交通地理学 / 対日直接投資 / 地方経済 / 外資受け入れ / グローバリゼーション |
Research Abstract |
世界の対内直接投資および対日直接投資に関する文献および統計資料を収集し,それらの分析を順次実行した。その結果,金融危機の影響から2009年以降の対内投資額が,世界的に停滞傾向にあるが,新興国・発展途上国での対内投資が伸長傾向にあることが明らかになった。対日直接投資に関しては,停滞傾向が著しく,近年では,投資の純流出が起きていることがわかった。こうした厳しい状況の中にあって,サービス業の対内投資のみは若干の伸びが見られた。 対日投資の促進を所管するジェトロ(日本貿易振興機構)の3つの事務所を訪問し,聴き取り調査を行った。東京本部では対日投資部の担当者から,日本政府の対日投資促進策の歴史と現状,ジェトロの外資誘致活動の内容と実績,対内投資が進まない要因などについて説明を受けた。次いで九州地方における対内直接投資の現状を解明するために,ジェトロ福岡事務所および大分事務所においても聴き取り調査を実施した。福岡では数件の誘致実績があるが,大分ではほとんどないことが明らかになった。 世界の対内直接投資の動向は,経済のグローバル化と密接に関連している。そこで「経済のグローバル化と地理学」と題する特別研究発表を人文地理学会において行い,本研究の成果の一部を公表するとともに,参加者から多数の質問や研究上の示唆を得た。また経済地理学に関する学界展望を研究成果として公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画で予定していた現地資料・文献の収集と分析,対日投資担当機関における聴き取り調査をほぼ予定通り実施し,かつ有益な情報を得ることができたから。また研究テーマに関わる論文公表および研究発表を実行できているから。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度も引き続き,訪問聴き取り調査,資料・文献の収集を行う。聴き取り調査については,中央政府機関のみならず,地方政府や外資系企業に対する聴き取りを順次実行する。資料の分析は実施途上であることから,とりわけ直接投資統計の解析を実施する。さらに国内外の専門家による研究レビューを受けるとともに,国内で開催される地理学関連学会において研究の中間発表を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初予定していた訪問聴き取り調査のうち,福岡県海外企業誘致センターおよび九州地方に進出した外資系企業へのインタビューは,日程調整の結果,平成26年度へ繰り延べざるを得なかったから。また購入予定だった資料の一部がインターネットで入手可能になったから。 平成25年度に計画していたが未実施だった訪問聴き取り調査を実施する際に使用する。
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Research Products
(3 results)