2015 Fiscal Year Research-status Report
GISによる地域人口分析法およびその手法を応用した自治体支援システムに関する研究
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25370919
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
井上 孝 青山学院大学, 経済学部, 教授 (10211749)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 人口統計学 / 地域人口論 / 将来人口推計 / GIS |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度においては,筆者が平成26年度に開発した,小地域人口統計を平滑化する手法を全国の小地域別人口推計にどのように応用するかについて,最終段階の検討を重ねた。その結果,同年6月に「全国小地域別将来人口推計システム」の試用版をウェブ上に公開することができた。本システムは,日本語版「全国小地域別将来人口推計システム」,および英語版”The Web System of Small Area Population Projection for the Whole Japan”の2つから成り,いずれも全世界から自由にアクセスできる仕様となっている。両者の違いはそのインターフェイスのみでありコンテンツは共通である。また,英語版はアルファベットのみで操作可能である。 本システムは,全国の約21万7千の小地域(町丁・字)単位に,2015年から60年までの男女5歳階級別の推計人口を自由にダウンロードできる環境を提供し,高齢化率,人口密度,人口増加率を表示することができる。将来人口推計の基礎データとして用いたのは,2005年と2010年の国勢調査小地域別人口である。前述したように,この2年次の男女5歳階級別人口を基にまず2つの人口統計(コーホート変化率と子ども女性比)を算出し,それらの値を平滑化したあとコーホート変化率法を用いて将来人口推計を行っている。平滑化を行う際の周辺地域の単位としては試用版では2010年時点の2次医療圏を用いた。 また,新たに開発した平滑化法ならびに上述のシステムについては,内外の3つの学術大会(国際人口地理学会議,国際地理学会モスクワ大会,CSIS)にて発表した結果,その有用性が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の目標であった「全国小地域別将来人口推計システム」を無事にウェブ上に公開することができた。しかし,平成27年度末の時点でまだ試用版であり,細部の修正がまだ必要と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
上述したように,平成27年に公開した「全国小地域別将来人口推計システム」は試用版であるため,今後はその確定版に向けた作業を進める。そのため,研究期間の延長申請を行った。作業の手順は,推計した人口に異常値がないか都道府県,市区町村レベルで考察し,そうした異常値を除去するためのアルゴリズムについて検討する。
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Causes of Carryover |
平成27年度にウェブ上に公開した「全国小地域別将来人口推計システム」は試用版であり,異常値が少々残存している可能性があるため,それらを除去して確定版を公開する必要がある。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
異常値を除去するアルゴリズムをシステムに組み込むには,ネットワークに精通した技術者の協力が必要である。そのための委託業務費として次年度使用額を充当する計画である。
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Remarks |
上記の2つのwebページは,コンテンツは同じであるがインターフェイスが異なる。
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