2017 Fiscal Year Annual Research Report
political conditionality in the EU foreign policy
Project/Area Number |
25380212
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
安江 則子 立命館大学, 政策科学部, 教授 (20268147)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | EU(欧州連合) / 対外政策 / エネルギー安全保障 |
Outline of Annual Research Achievements |
EUは対外的な諸政策において、様々なコンディショナリティを課していることで知られる。しかし、新規加盟国に対して事前に求めてきた政治的・経済的なコンディショナリティが概ね評価されてきたのに比較し、その後の近隣諸国政策や東方政策では、様々な問題点が表面化している。特に、EUとの連合協定締結に起因するウクライナ動乱と、その後のEUの対ロシア政策は、解決の見えない困難な状況をもたらすことにつながった。現在も継続中の経済制裁を含む対ロシア政策は、EUのエネルギー安全保障とも関連して、対外政策の最重要課題のひとつであり、この点においてEUのリーダーシップが、今後も維持されていくのか注目される。 また、フランスが提唱したEUによる地中海諸国(地中海の南側にあたる北アフリカ諸国を含む)に対する包括的な政策は、「アラブの春」による一連の内紛によって、その実施が大きく妨げられた。またシリア紛争に端を発する難民受入れ問題への対応において、EUはドイツなど主要国を中心に難民割り当てを行うなど、「規範的パワー」を自認するEUの看板を守ったものの、他方で加盟国間や各国国内において、重要な対立軸が生じることとなった。EU各国で台頭するポピュリズムの動きは、こうしたEUの対外政策とも無関係ではないことは確かである。そのような中にあって、EUは、対テロ政策での連携など新たな協力関係を構築しており、この分野においてEUの役割が期待されている。 上記のような現状と欧州委員会を中心とするEUの動向を検証した。
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