2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25380449
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
加納 善子 (永野善子) 神奈川大学, 人間科学部, 教授 (60148252)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾高 煌之助 一橋大学, その他部局等, 名誉教授 (90017658)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | フィリピン経済 / 長期経済統計 / マクロ経済史 / 国民経済計算 / 統計制度 / 産業構造 / 人口構成 / 生活水準 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究プロジェクトは、第二次世界大戦前のアメリカ植民地期におけるフィリピン経済の時系列統計の収集・整理・加工・分析を進めることを主たる目的としている。一橋大学経済研究所でこれまで実施してきた研究プロジェクトにより、この時期のオリジナルな統計の収集はほぼ完成しているが、資料収集においてもフィリピおよびアメリカにおいて欠落部分を補う調査を必要としている。 この作業を行うため、当該年度において、本研究プロジェクトの統計整理作業班は、とくに貿易統計の整理・加工・分析作業を集中して実施し、ほぼその作業を完了した。他方、産業別労働統計についても、アメリカ植民地期と1940-50年代の統計を接合する作業を開始している。また、財政統計については、1920-30年代の統計をパソコンに入力し、欠落しているデータの収集作業にとりかかっている。 さらに、本プロジェクト参加者の各担当作業の進捗状況を確認し、フィリピン経済に関わる最新の研究状況を把握するために、研究会を2回開催した。第1回の研究会は2014年10月に開催し、外部講師を招聘してフィリピンにおける貿易政策の検討を行った。第2回研究会は2015年3月に開催し、外部講師を招聘してフィリピン経済ナショナリズムについての最新の研究成果について議論した。2014年9月には本研究プロジェクトのメンバーによるオーストラリアでの学会発表、同年11月はフィリピンでの研究発表が行われたほか、2015年2月にはマニラにおいて1950年代の貿易統計の欠落部分の収集を行った。 来年度には、本年度の各種作業を踏まえて、データの収集・整理・加工・分析を行い、3年間の本研究プロジェクトのまとめを行うことにしたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究プロジェクト第1年次には、各研究メンバーのそれまでの作業結果を確認し、これまでのデータ収集と研究蓄積を踏まえて、どのようなかたちで有効な作業ができるのかを検討しつつ、研究を遂行するプロセスをたどった。その結果、第2年次には、これまでの作業で欠落している部分を補てんする方法を検討しつつ、さらに収集したデータの解析の精度上げる方法を検討する作業を組み込むことができた。 また、最終報告書の新たな構成のひとつとして、教育を軸としてフィリピンの生活水準を検討する担当者を招聘することができたこと、さらに、長らく所在が不明であった1939年センサスの製造業統計(未刊行)の所在がほぼ明らかになり、来年度に資料調査を実施する計画が立てられたことも、本年度における貴重な成果である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度については、本プロジェクトの初年度および第2年次に実施した作業にもとづき、『アジア長期経済統計』第10巻「フィリピン編」をまとめる準備を行う。 そのための作業としては、整理・加工したデータの再点検を行い、時系列加工統計の精度をさらに向上させる作業を行う。また、初年度・第2年度に未収集のデータ(とくに1939年センサスの製造業統計(未刊行)を入手するための資料調査を米国国立公文書館にて実施する。 とりわけ中心的作業は『アジア長期経済統計』第10巻「フィリピン編」の「第Ⅱ部 統計編」をまとめることにおかれる。そのために、年2回の研究会を開催し、研究プロジェクト担当者が整理・加工している統計の作表について検討し、「第Ⅰ部 記述編」の執筆の準備を行う。
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Causes of Carryover |
海外旅費の支出が予定より少なかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
海外旅費に使用する。
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