2015 Fiscal Year Research-status Report
両大戦間期インドにおける金融制度の「再編」と中央銀行の役割
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25380450
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
西村 雄志 関西大学, 経済学部, 教授 (10412420)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 中央銀行 / 決済システム |
Outline of Annual Research Achievements |
両大戦間期のインドにおける金融状況を把握し、中央銀行を基軸とした決済システムの再構築に関する研究を続け、その成果の一端をWorld Economic History Congressで発表した。また同じ会議でフリーバンキングに関するセッションでも報告し、決済システムの国際比較の観点でタイの事例の報告を行った。 また9月にはLSEにおいてアジア経済史の国際会議に参加し、英系国際銀行の発表も行った。英領インドにも幾つかの主要な英系国際銀行が進出していたが、ここではアジア全域の活動を概観したものを発表した。 論文としては決済システムの国際比較の観点で上海の倉庫業に着目して成果をまとめた。こちらも概観的なもので終始しているが、今後はさらにアジアの他の貿易港における倉庫業との比較を通じて研究を深めていきたいと考えている。 翻訳としては、グローバル・ヒストリー研究において、最も世界中で読まれている研究の一つであるポメランツ氏の『大分岐』の翻訳に携わった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
家庭の事情により、研究スケジュールが大幅に遅れているため、昨年度の後半から少しずつ研究計画に戻れるように努めている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は遅れている資料収集を急ぐとともに、これまで収集できている資料を分析して成果の発表につなげていきたいと考えている。その発表は来年になると思うが、英語で発表する準備を進めている。まずはワーキングペーパーの形で発表し、その後で査読付き雑誌への投稿へと進めていく予定にしている。 具体的には、旧インド省文書館に所蔵されている資料の収集・分析を最優先で行う。その上で今まで収集してきたデータを基礎として大阪大学大学院経済学研究科のワーキングペーパーや関西大学経済学部のワーキングペーパーを主な発表場所として成果の発表を随時行っていく。
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Causes of Carryover |
家庭の事情により、研究計画が遅滞したことにより、研究費が次年度へと繰越になった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度は遅れている資料収集を早急に進め、並行して成果発表に努めていきたいと考えている。具体的には、資料の収集に関しては、旧インド省文書の中の両大戦間期の中央銀行設立に関する資料を確実に収集・分析することに努める。そのための渡航費や資料の複写代、文献購入費に充当したいと考えている。 その上で、これまで収集・分析してきたデータを基礎として成果の発表を行う。具体的にはワーキングペーパーの形で発表し、その後に頂いたコメント等を踏まえて、可能であれば査読付き雑誌への投稿へとつなげていきたいと考えている。そのための英文校正費も計上したいと考えている。 またデータが膨大になることも考えられるので、その場合の研究補助者の経費も計上している。
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Research Products
(6 results)