2013 Fiscal Year Research-status Report
仲介者を用いた共同開発の促進策に関する研究 -日米比較に基づく考察-
Project/Area Number |
25380473
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
高橋 信弘 大阪市立大学, 経営学研究科, 教授 (40305610)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 共同開発 |
Research Abstract |
今年度の実施計画は、企業への聞き取り調査と、その調査結果の分析である。本研究の目的は、企業とその顧客企業あるいはライバル企業とが緊密に意思疎通を行うことで、より品質の高い製品を共同開発することを目指すものである。本年度はその初年度に当たり、その開発における現状を分析した。 同時に、共同開発に関する新しい開発方法を理論的及び実践的の両方の観点からさらに発展させるために必要な論点を明確にすることに重点を置いた。なかでも、企業構造や他企業との関係が、緊密な意思疎通の実現にどう影響を与えるのかに焦点を当ててきた。これにより、各共同開発方法の特徴、特に長所と弱点を明らかにした。 一方、文献調査も行った。これにより、論点を明確にすることに努めた。 日本の共同開発の技術水準を高める方策をみつけるためには、技術面だけでなく、所有構造を分析する必要がある。日本の産業は、日本特有の巨大な多重下請け構造を持ち、その下層には技術水準の低い企業が多数存在する。この問題をどう克服して行くかが、本研究を進める上で大きな課題となる。 今年度の成果は、来年度の聞き取り調査の基礎となる資料や考察の材料を与えることとなる。来年度の聞き取り調査では、非公開の開発方法や開発実態などをより正確に把握することが必要となるため、その準備として十分なものとなった。今後、理論面および実証面の両面において、共同開発の全体像を解明することに役立つであろう。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
データ収集などが、予定通りに進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定に従い、データの収集と分析を行う。国内だけでなく、外国のデータを収集するために、現地調査を行う。 同時に、そうしたデータの理論化を進める。従来の理論を発展させて、新しい理論を構築するとともに、その内容について学会報告などを通じて各研究者と議論を重ねる。
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