2014 Fiscal Year Research-status Report
海外生産拠点で活躍できる生産技術者・保全要員の育成課題と技術移転
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25380536
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
八幡 成美 法政大学, キャリアデザイン学部, 教授 (90078337)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 保全要員の育成 / 生産技術者の育成 / 海外生産拠点への配置 |
Outline of Annual Research Achievements |
製造業の海外展開が本格化し、グローバルなオペレーションが本格化している。しかしながら、人件費の高騰や生産品目の高度化もあって、現地工場の生産ラインの自動化が進み、労働装備率も高まっている。そのため、不良率の低減、設備稼働率の向上が現地工場の生産性を大きく左右することになる。ところが、現地生産の拡大スピードに、生産技術分野のローカルスタッフの育成が追いついておらず、母工場からの日本人スタッフの応援や出向によりトラブル対応をしており、日本人スタッフがなかなか抜けられないのが実態である。 平成26年度の研究では、本格的にグローバル展開をして、海外生産をおこなう自動車部品X社の米国子会社およびインドネシア子会社の各工場で活躍する生産技術者、保全スタッフに対して、事前に用意した質問項目にしたがい、個人別に面接調査を実施し、その結果のとりまとめを進めた。 また、三菱電機(株)生産技術センター、人材開発センターにて、生産技術者、保全担当者の新人から中核人材にまでの育成の制度的な枠組み、配属後のOJTを含めた人材育成の仕組みについて、管理者等への面接をもとに事例報告として下記の『法政大学キャリオアデザイン学会紀要』にとりまとめた。 さらに、電機メーカーZ社の自動車関連部品の母工場の生産技術部門の責任者に海外派遣要員の育成の制度的な仕組みを伺い、そして、海外生産拠点に赴任した経験のある生産技術者と保全担当者各2名に対する集団面接を実施した。その結果はとりまとめ中である。 各社とも、日本側の母工場で団塊世代が大量に引退したことに伴い中核的な生産技術者や保全スタッフの育成を強化する動きがみられる。今後ともグローバル生産を強化するためには、ローカルスタッフの育成とともに、海外工場で指導的立場で活躍できる中核人材の継続的な育成が人事上の重要な課題となるだろう。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
時間的制約もあり、海外調査は自動車部品X社の米国とインドネシアのみであった。現地の生産ラインを見学して、現場での仕事ぶりを聞いた上で、現地で活躍する生産技術者、保全スタッフに個別にインタビューをしたのであるが、先進国と途上国では生産設備は高品質を維持するために、自動化のレベルもそれほど極端に異なるものではないが、現地人材の採用、育成の仕組みが国により異なり、違った意味で苦労をなさっていた。なかでもインドネシアでは企業内にフルタイムの1年間の教育訓練コースを設けて新卒者を対象に本格的な養成を始めていた。このような事情は現地に行ってみないとなかなか理解しがたい。 Y社、Z社については国内調査のみにとどまったが、不明確な部分については平成27年度調査で補完する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度の研究では、平成26年度に実施したインタビュー調査の結果を速やかに整理し、海外生産拠点で活躍している生産技術者、保全スタッフに求められるスキル、知識、経験を整理し、能力要件を明確にした上で、CDP策定の具体化に取り組む。 また、一部不明な点を補完するためにも、Y社、Z社に協力を求め、海外生産拠点での調査にもチャレンジする予定である。 これらを踏まえて、本年度は最終報告書を作成する。
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Causes of Carryover |
海外調査が予定通り進まなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度繰越で、タイまたは中国で操業している工場を訪問し、面接調査を実施する予定。
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Research Products
(3 results)