2014 Fiscal Year Research-status Report
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25380542
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
藤田 誠 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (00199340)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花岡 幹明 豊橋創造大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (70340370)
久保 亮一 京都産業大学, 経営学部, 准教授 (80339754)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 産業クラスター / ネットワーク / バイオ・ビジネス / 食農工連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.本研究は、産業クラスターをネットワーク論およびそれに関連する理論的概念を援用しながら解明することを目的としている。研究代表者および研究分担者の合計3名は、すでに当該研究分野に関して4年の共同研究の実績を有しており、平成25(2013)年度からの研究においては、従来の成果を一層深化させることを目指している。 2.本研究では、バイオ関連の産業クラスターを研究対象としてきたが、なかでもアグリ・ビジネス関連のクラスターに関して研究を進めている。具体的にいえば、東海バイオクラスターに属するクラスターでの聞き取り調査を先行して行うことで、従来の理論的枠組の有効性を確認するとともに、従来の研究で指摘されてこなかった点について、帰納的に研究成果を蓄積してきた。 3.従来の研究では指摘されてこなかった主要な発見事実としては以下の点が上げられる。(1)商工会議所など従来から存在する人的ネットワーク活用がクラスター活性化にとって重要である、(2)クラスターにおける経済活動を推進するには、緊密な関係にあるクリーク形成が重要である、という点である。 4.以上のような発見事実を踏襲し、ネットワーク論的な見地からクラスターを理解する際には、紐帯の質・内容が重要であることが判明した。ネットワーク論では人あるいは組織をアクターとよびアクター間の関係は「紐帯」と呼ばれ、紐帯の関係に焦点が当てられてきた。しかし従来のネットワーク論では、紐帯の質・内容に関する意識が希薄である。それに対して、クラスターの観点からすれば、アクター間にどのような関係が構築されているか、すなわち「紐帯の質・内容」が重要である。また、アクター間のつながりの数の多さ(密度)などの要因もネットワークとしてのクラスターが成果を生み出すか否かを決定する要因として考えられる、というのが、本課題に関する暫定的結論である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者が学内における行政職に就任したことにより、研究初年度の平成25(2013)年度は若干研究の進捗状況に遅れが見られたが、平成26(2014)年度は、その遅れを取り戻すべく、複数回の聞取り調査を実施しており、おおむね順調に研究が進展していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度も、文献・資料の収集と並行して、聞き取り調査を実施する計画である。とくに、平成27年3月に(財)食料需給センターにおける聞き取り調査では、食農工連携に関する貴重な情報をえることができた。そこで得た情報およびネット上での情報等をもとに、これまでに聞き取り調査を実施してきた東海地域とは別の地域の聞き取り調査も実施することで、これまでの研究成果の外部妥当性を確認する作業を行っていく予定です。
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Causes of Carryover |
研究分担者花岡幹明は、前年度後半から体調不良により病院での検査などを繰り返している。このため、研究費の未使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度は、研究計画の最終年度になるため、年度当初より図書、ICT機器などを購入することで、計画的に使用するようにする。
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Research Products
(3 results)