2013 Fiscal Year Research-status Report
プロジェクトのマネジメントコントロールシステム構築
Project/Area Number |
25380623
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
鈴木 研一 明治大学, 経営学部, 教授 (80309674)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 会計学 / 管理会計 / プロジェクト / マネジメントコントロール / 場 |
Research Abstract |
以下の4つの課題に取り組んだ。それぞれの実施状況は以下の通り。 課題I「PBGTの有効性検証」:社会人院生(プロジェクトマネジメントの専門家)がPBGTの導入支援をしている製薬会社A社とカーナビ製造会社B社を訪問してPBGT導入効果や課題の把握,課題解決の方法の検討を行った。 課題II「PBGTの差異分析技法開発」:社会人院生(プロジェクトマネージャー)の協力を得てプラント開発会社B社本社および開発現場を訪問して同社のコストマネジメントの実態を把握した。そして,それを一般化する形でABCによるコスト差異分析技法を開発した。 課題III「プロジェクト統廃合技法開発」: 文献レビューを行い,プロジェクト統廃合技法を考案,上記院生の協力と院生2名の研究補助を受けて社会人院生OBから同氏が経営する部品製造会社に導入した。 課題IV「場メカニズムの探索」:文献レビューを行い,場のメカニズムに関わる分析モデルを設定した。そして,院生2名の研究補助を受けてホテル開発会社C社から提供された従業員意識調査データ(160の質問からなる1,200人に対する年次調査7年分データ)を使って,探索的因子分析,重回帰分析,パス解析を実施すると共に,解析結果をC社のトップやプロジェクトマネージャーに示して反応を見ることで,分析モデルの妥当性を検証した。この考察結果を踏まえて,プロジェクトマネジメントコントロールシステムやサブシステムが場のメカニズムのどのように影響するのかについての仮説を設定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
課題ごとの進展は次の通り。 課題I「PBGTの有効性検証」:論文(第一校)作成ということで計画を上回っている。 課題II「PBGTの差異分析技法開発」:論文(第一校)作成ということで計画を上回っている。 課題III「プロジェクト統廃合技法開発」:計画どおり。 課題IV「場メカニズムの探索」:対外発表したということで計画を上回っている。 課題V「場のメカニズムの国際比較」:計画どおり。
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Strategy for Future Research Activity |
課題ごとに今後の研究の推進方策を示せば次のとおり。 課題I「PBGTの有効性検証」:研究成果を論文としてまとめ,国内学会報告と投稿を行う。 課題II「PBGTの差異分析技法開発」:研究成果を論文としてまとめ,国内学会報告と投稿を行う。 課題III「プロジェクト統廃合技法開発」:2ヵ月に1度程度の頻度でD社開発現場を訪ねて,プロジェクト統廃合技法の有効性と課題を把握すし,国内学会で中間報告を行う。 課題IV「場メカニズムの探索」:論文を作成し国内学会報告と投稿を行う。 課題V「場のメカニズムの国際比較」:日本とオーストラリア(AU)にて郵送によるアンケート調査を実施する。プロジェクトのリーダーを対象に自由回答欄を含めて50~60の質問を想定している。日本は上場企業から2,000社を抽出する。AUは1,000社を抽出する。ただし,対象が1,000社に満たない場合には同一会社で複数のプロジェクトリーダーの回答を依頼してサンプル数の確保を行う。回収には9ヵ月という十分な期間を設定し,必要に応じて企業に回答を促してサンプル数の確保をする。そして院生4名の研究補助(回答促進,データ入力,データ解析,自由回答欄分析等)を受けながら場メカニズムの仮説の妥当性を重回帰分析やパス解析によって検証する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
院生の研究補助の超過のため。その理由は,科研費が基金化によって翌年度予算も執行できるため,作業を実施する院生にとって,授業がなく,時間的に余裕のある休業期間中に翌年度に予定していた作業を先取りして進めてもらったためである。 研究補助費から支出。探索的因子分析,重回帰分析,パス解析等の作業を実施してもらった。
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