2013 Fiscal Year Research-status Report
ロンドン五輪報道をめぐる国際ニュース・フレームの分析:北京五輪との比較から
Project/Area Number |
25380666
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
中 正樹 静岡大学, 情報学研究科, 准教授 (70388685)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小玉 美意子 武蔵大学, 総合研究所, 研究員 (10231482)
日吉 昭彦 文教大学, 情報学部, 准教授 (80383313)
小林 直美 十文字学園女子大学, 人間生活学部, 助手 (90633834)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | テレビ / ジャーナリズム / ニュース / 内容分析 / オリンピック |
Research Abstract |
本研究の目的は2つある。第1に、日本のテレビニュース番組がロンドン五輪開催期間にどのようにニュースを報道したのかを内容分析することである。第2に、その分析結果と2008年に実施した北京五輪開催期間における内容分析の結果を比較することである。これらの2つの研究目的の達成を通じて、日本のキー局が提供する代表的なニュース番組に内在する国際報道のニュース・フレームを明らかにする。 上記の目的達成のため、今年度はロンドン五輪開催期間に日本のキー局が提供する代表的なニュース番組が報道したニュースのコーディングに取り組んだ。分析の対象となるニュース番組は、「NHKニュース7(NHK)」「NEWS ZERO(日本テレビ)」「NEWS23X(TBS)」「NEWS Japan+すぽると!(フジテレビ)」「報道ステーション(テレビ朝日)」の5番組である。これら5番組が、五輪開会式4日前の2012年7月24日から五輪閉会式4日後の2012年8月16日までの計24日間に報道したすべてのニュースを対象としてコーディングを実施した。 コーディングにあたっては、国際テレビニュース研究会がこれまで開発・改良を重ねてきたテレビニュースの内容分析の手法を用いた。具体的には、ニュース番組を視聴しつつ、ニュースをニュース項目ごとに分類し、ニュースの「映像内容」、「開始・終了時間」、「タイトルテロップ」「関係地域」、「分野」「英国(人)への言及・発言および映像」についてコーディングシートに記入していった。コーディングは共同研究者および十分に訓練を積んだコーダーが実施した。その結果、対象となるすべてのニュース番組、すべての対象期間のニュースのコーディングが完了した。 以上が、平成25年度に実施した研究の成果である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コーディングは計画通りに実施され、必要十分の結果を得た。したがって、おおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
コーディングしたデータに統計的処理を施して、量的分析を行う。これを基本データとして、ロンドン五輪報道の傾向を抽出する。そして、量的分析で得られた結果を前提にして質的分析に取り組む。具体的には、共同研究者各自の専門領域にしたがってテレビ・ジャーナリズム、スポーツ・ジャーナリズム、ナショナリズム、エスニック、ジェンダー、客観報道、映像といった点から五輪報道に着目して質的分析を加える。これらの分析結果をもとに論文を執筆、または学会で発表する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
昨年度の科学研究費補助金の主な使途は、平成25年度研究実施計画のうち「ニュース番組のコーディングの実施」に係る人件費であった。「コーディング」という作業は、統計処理を施して集計・分析する以前の、第一次的なデータ収集作業となり、本研究の基幹となる作業であるため、配分された研究費の予算の大部分は、人件費として計上されていた。そして、使用した研究費補助金は、予算配分に従い、全てを人件費として使用した。しかしながら、トレーニングを十分に受けた学生が、作業内容に習熟し、かつ内容をよく理解した上で効率的に作業を進めるなどしたため、計画よりも若干早い作業期間内でコーディングを終了できた。また、予算には郵送費などが若干、別途措置がなされていたが、定期的に研究会を開催するなど、研究協力者同士の会合も十分に行われており、こうした使途が発生しなかった。これが次年度使用額が生じた理由である。 本科学研究費補助金の平成26年度研究実施計画では、過去の調査研究との量的・質的な比較検討や共同研究者の専門領域にしたがった検討・考察作業が中心となっている。こうした研究計画上の特性から、平成26年度に関しては、文献調査等の先行研究の収集や、また異なる専門領域を持ち合わせる共同研究者との綿密な打ち合わせ等の研究会活動が平成25年以上に必要となる。また、さらに平成25年度に収集したデータの二次分析等の追加分析の作業が継続的に行われる。そこで、平成25年度から生じた次年度使用額に関しては、上記のような活動に沿って、配分するようにしたい。具体的には文献等資料収集費や会合費、データ解析等に必要な機器類等がこれに当たる。以上が、平成25年度次年度使用額の使用計画である。
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