2014 Fiscal Year Research-status Report
沖縄・先島地域のトランスナショナルな移動と社会関係-フィリピン人女性を中心に-
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25380680
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
野入 直美 琉球大学, 法文学部, 准教授 (90264465)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高畑 幸 静岡県立大学, 国際関係学部, 准教授 (50382007)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | フィリピン / 結婚移民 / 離島 / 沖縄 |
Outline of Annual Research Achievements |
2014年度は宮古島とその周辺離島でフィリピン結婚移民と第二世代の若者たちを対象とするアンケート調査、インタビュー調査を実施した。8月にフィリピン女性を主要な対象者とするアンケート調査とインタビュー調査を行い、同年10・11月に沖縄本島で、11月に関西で、就学している子どもたちに聞き取りを行い、フィリピン人女性12名、子ども5名から協力を得た。インタビュー調査は、移動、就労、結婚・離婚、子育て、信仰、家族・近隣関係、ネットワーク化を中心にライフヒストリーを聞きとるもので、タガログ語、英語または日本語を用い、カトリック教会、自宅、友人宅などで数時間をかけて行われた。 知見①フィリピン人女性のグループにおけるリーダーシップ:石垣島と宮古島には、それぞれに二名、フィリピン人の集いや相互扶助関係の構築と維持において重要な役割を果たしてきた女性たちがいる。彼女たちには、学歴や階層の相対的な高さとカトリック教会へのコミットメントの深さという共通項が見いだせる。さらに、彼女たちがリーダーとしての役割を果たすにあたっては、配偶者や地元信者など、地域住民との関係性が大きな影響を及ぼしている。 ②次世代へのエスニック継承:子どもへの言語・文化継承はほとんど見いだせないが、子ども期をフィリピンで過ごした何人かの若者の中には、大学や専門学校での就学においてその経歴が文化資本となっている人、フェイスブックなどでフィリピンとつながっている人がいる。第二世代におけるフィリピンルーツの意味づけについては、分析に課題を残している。 さらに2014年度は、2013年度に行った石垣島調査の成果を、地元誌である『月刊やいま』2014年11月号(南山舎)の特集として寄稿し、調査対象者、協力者に対するフィードバックと地域社会への研究成果の還元を行った。高畑幸と野入直美は日本移民学会で研究成果を報告し、今後の研究に結びつく有益な助言を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2013年度に引き続き、調査地において本調査、追加調査を実施し、対象者と関係者のご協力をいただいて貴重なデータを収集することができた。 対象者、協力者の個人情報の守秘義務の順守と信頼関係の構築に留意し、2015年度に調査地へ成果報告に来ることを約束した。 2013年度の研究成果を調査地の地元誌に寄稿し、対象者、協力者、地域住民に対しての研究成果の還元を行うことができた。 2013年度の研究成果は日本移民学会で報告し、貴重な研究上の助言を得ることができた。 2015年度に3年間の共同研究の成果を活字化することについて、研究分担者、研究協力者の間で合意を形成できた。
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Strategy for Future Research Activity |
2015年度は日本社会学会で、2013年度と2014年度に実施した調査の結果、および得られた知見を報告する。 『移民研究』に特集を組み、3年間の研究プロジェクトの成果を活字化する。 2014年度の宮古島における調査結果を、調査地で対象者、関係者に対してフィードバックする。 以上の計画を実施するために必要なデータの整理、文献資料取集を進め、社会学、宗教社会学、教育社会学、地理学、ジャーナリズムの視点から、沖縄先島地域のフィリピン人女性たちの移動、社会関係とネットワーク化についての研究成果をまとめていく。
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Causes of Carryover |
宮古島調査において予想よりもタガログ語でのインタビューを希望する対象者が多く、タガログ語の音声データが増えたために訳しおこしの経費がかさんだ。そのために前倒しを申請するにあたって、若干の余裕をもって前倒しを行ったためにこのような状況となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2015年度は予算内で残りのデータ整理、訳しおこしと文字おこしを進め、成果報告の活字化を行う予定である。
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Research Products
(7 results)