街頭放送の歴史社会学的研究

2014 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 25380715
• Research Institution: Ritsumeikan University
• Principal Investigator: 坂田 謙司 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (70388081)
• Project Period (FY): 2013-04-01 – 2017-03-31
• Keywords: 街頭放送 / 宣伝放送 / 街頭宣伝放送 / 有線放送 / 放送史 / 社会史

Outline of Annual Research Achievements

平成２６年度は、前年度に引き続き新聞データベースの関連記事検索を行った。今年度の検索は、データベース検索が可能な地方紙・地域紙を中心に実施した。そして。見出しの中から関連の可能性が高いと判断される記事の絞り込みを実施した。
調査に関しては、前年度に引き続き北海道の街頭放送施設へのヒアリングと図書館を利用した関連資料の探索、及び街頭放送施設が保存している資料の借り受けなどの作業を行った。具体的には、新たに函館市、芦別市へのヒアリングを実施し、新たな歴史的な経緯の確認が行えた。また、小樽市の街頭放送については、終戦直後に実施されていた小樽駅前における「街頭放送塔」に関する資料調査を、小樽商科大学、北海道立図書館を利用して調査した。その結果、いくつかの資料を発見した。
借り受け資料は、小樽、芦別より放送原稿、録音テープ等を借り受けた。

Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

昨年度の調査において、北海道の街頭宣伝放送が多く稼働していることを発見した。当初予定では、北海道を含む全国の街頭宣伝施設を可能な限り調査する予定であったが、実際には北海道の施設の調査で手一杯であった。しかし、北海道の施設は歴史が古く、また各施設を束ねる組合がしっかりしていることで、さまざまな情報を入手可能であった。北海道の施設を集中的に調査することで調査効率を上げることが可能となり、当初予定の成果を上げることは可能と思われる。
ただし、全国に残された施設に対する調査は未実施になるため、助成期間後の継続的な研究・調査を準備する必要があると考えている。

Strategy for Future Research Activity

最終年度では、これまでの調査結果をまとめる作業を実施する。新聞記事に関しては、必要な記事の本分検索を実施し、歴史社会学的な分析を実施する。また、年度後半に行われる所属学会での成果中間発表を計画している。
また、未実施の北海道以外の街頭放送施設へのヒアリング調査も、可能な限り実施する予定である。具体的には、水戸市、仙台市を予定している。

Causes of Carryover

本研究は、３年間での完結を予定していた。主な理由は、調査対象を日本全国に設定しており、調査に必要な日程確保を確実に実施するためであった。そのために、最終年度における、経費確保を行った。過去２年間の調査によって対象施設は北海道に集中していることが判明したが、それ以外にも本州にはいくつかの調査が必要な施設が確認されている。また、データベース検索の本文検索は最終年度に行う予定にしていたので、調査旅費、代行検索費、研究まとめに必要な書籍代などの諸経費の執行が次年度使用額としてが生じている。

Expenditure Plan for Carryover Budget

研究計画３年目であり、これまでの調査で発見した疑問や歴史的経過の確認、そのための追加調査、改めて発見した街頭放送施設（仙台、水戸など）への調査、資料の借り受けなどの旅費支出を計画している。また、新聞記事のデータベース代行検索においては、該当する記事の本文検索費用として支出する予定があるため。未調査街頭放送施設及び追加調査への旅費支出、該当新聞記事本文の代行検索費用、資料収集に係る輸送費、参考図書購入費等に使用する予定である。