2013 Fiscal Year Research-status Report
地域包括ケアを指向するソーシャルケアの職能団体基盤型IPWのモデル構築
Project/Area Number |
25380763
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
小嶋 章吾 国際医療福祉大学, 医療福祉学部, 准教授 (90317644)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶌末 憲子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (80325993)
大石 剛史 国際医療福祉大学, 医療福祉学部, 講師 (70326958)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 地域包括ケア / ソーシャルケア / 専門職連携 / 職能団体 / IPW |
Research Abstract |
利用者指向の地域包括ケアのためには、多職種連携(IPW=Interprofessional Working)のあり方、とりわけ生活モデルに立脚したソーシャルケア専門職の役割遂行が重要であると考え、全国で唯一、都道府県レベルで組織されている「とちぎソーシャルケアサービス従事者協議会」の活動を、地域基盤型IPWとの対比で、職能団体基盤型IPWの先駆的実践としてとらえ、実践分析を試みた。 第1に、同協議会の構成団体の代表で組織された運営委員会の参与観察を行い、また同協議会が主催する学会やセミナーの参加者アンケート結果の分析、及び地域基盤型IPWとの比較分析を通じて、そのモデル性を確認した。その特徴として、①利用者中心の支援との認識の深まり、②他職種への理解の深まり、③日常業務上の連携への好影響、といった点が明らかになった。 第2に、IPWのコンピテンシーに関する先行研究レビューをもとに、同協議会のコアメンバーを対象とし、アンケート調査を実施した。IPWのコンピテンシーを、①考え方・態度、②目標の共有・合意、③役割や責任の共有・分担、④コミュニケーション、⑤マネージメント、⑥その他、の6項目に整理し、それぞれ意図的対応及び葛藤対応という2つの局面について、自記式アンケート調査及び補足的なインタビューによって得られた質的データを分析した。 その結果、意図的対応では、多面的理解、目標の根拠の理解、役割分担や共同、対面的なコミュニケーション、多職種の役割や視点の理解、また、葛藤対応では、葛藤の受容、継続的な検討、実践の優先、信頼や敬意あるコミュニケーション、リーダーシップと対等性とのバランス、などが挙げられた。 結論として、IPWにおいては、コミュニケーション技法やリフレクションに矮小化できない葛藤対応の豊かさが示唆された。IPWのコンピテンシーの1つとして、葛藤対応の重要性が確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2013年度には、2014年2月15日(土)に開催を予定していた「第10回とちぎソーシャルケア学会」時に、本年度の研究結果の報告を行い、グループセッションとアンケート調査(100人目標)を予定していたが、当日の大雪のため急遽中止となった。 そのため、アンケート調査を予定どおり実施できず、その後、コアメンバーに対して、パイロット調査として、個別的にアンケート調査を依頼した。 とちぎソーシャルケアサービス従事者協議会の運営委員会における参与観察やコアメンバーに対するインタビューによる補足的なデータ収集を含めても、職能団体基盤型IPWの参加者の意識や経験に関するデータ収集は不十分となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)2014年7月に延期となった「第10回とちぎソーシャルケア学会」時に、当初予定していたアンケート調査を実施する。 (2)2014及び2015年度に複数回にわたるIPWのスキル・コンピテンシー向上のための研修の開催による介入研究を実施する。 (3)職能団体基盤型IPWの促進プロセスについて、M-GTA(修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ)により分析する。 (4)本研究成果及び「とちぎソーシャルケアサービス従事者協議会」の職能団体基盤型IPWとしてのモデル性に対する社会的認知を図るべく、研究期間中のHPを立ち上げる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
2013年度には、2014年2月15日(土)に開催を予定していた「第10回とちぎソーシャルケア学会」時に、本研究の趣旨説明を行い、グループセッションとアンケート調査(100人目標)を予定していたが、当日の大雪のため急遽中止となった。 そのため、アンケート調査を予定どおり実施できず、謝礼として用意していた図書カードをのほとんどを使用することができなかったためである。 2014年7月に延期となった「第10回とちぎソーシャルケア学会」時に、当初予定していたアンケート調査を実施する。その際、謝礼として図書カードを使用する予定である。
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Research Products
(6 results)