2014 Fiscal Year Research-status Report
地域包括ケアを指向するソーシャルケアの職能団体基盤型IPWのモデル構築
Project/Area Number |
25380763
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
小嶋 章吾 国際医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (90317644)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶌末 憲子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (80325993)
大石 剛史 国際医療福祉大学, 医療福祉学部, 准教授 (70326958)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 地域包括ケア / ソーシャルケア / 専門職連携 / 職能団体 / IPW |
Outline of Annual Research Achievements |
職能団体基盤型IPWである、とちぎソーシャルケアサービス従事者協議会への参与観察の結果、専門職間の連携の重要性や関心は確認できたが、実践報告や事例検討では、獲得すべき連携実践能力の習得・向上についてはあまり意識されていないことがわかった。 そこで、必要とされる連携実践能力について、先行研究をもとに5項目に整理した連携実践能力について、意図的対応及び葛藤対応という2つの局面について、同協議会の中核的なメンバーなど27人を対象に自記式アンケート調査及び補足的なヒアリングから得られた質的データを分析した。 5項目とは、①考え方・態度、②目標の共有・合意、③役割や責任の共有・分担、④コミュニケーション、⑤マネジメントであり、意図的対応と葛藤対応の2つの局面ごとに、(1)意図的対応:①多面的理解、②目標の根拠の理解、③役割分担や共同、④対面的なコミュニケーション、⑤多職種の役割や視点の理解、(2)葛藤対応:①葛藤の受容、②継続的な検討、③実践の優先、④信頼や敬意あるコミュニケーション、⑤リーダーシップと対等性とのバランス、といった連携実践能力を設定した。 意図的対応では、コミュニケーションスキルやリフレクションに矮小化できないことが確認できた。また葛藤対応では、①葛藤の受容のためには、一緒に活動することを重視する、②継続的な検討のためには、曖昧さの解消を試みる、③実践の優先のためには、小さな役割分担から始める、またチーム構成に弾力性を持たせる、④信頼や敬意あるコミュニケーションのためには、配慮かるコミュニケーションに留意する、⑤リーダーシップと対等性とのバランスのためには、キーパースンは役割を引き受けるだけでなく調整役を担い、常に他のメンバーの立場に配慮する、といった対応がなされていると整理できた。 具体的な連携実践能力を明確化することができたが、葛藤対応の指標化が課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2013年度には、「第10回とちぎソーシャルケア学会」が天候不順のため急遽中止となり、予定していた100人目標のアンケート調査が実施できなかったため、その後、パイロット調査としして、コアメンバーを中心としたアンケート調査やヒアリングによる補足的なデータ収集にとどまっている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き「とちぎソーシャルケア学会」等の機会を活用し、追加のアンケート調査を実施しながらも、当初の計画実施を優先させていく。
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Causes of Carryover |
予定していた100人目標のアンケート調査が実施できなかったためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
追加のアンケート調査を引き続き実施する。
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Research Products
(7 results)