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2015 Fiscal Year Annual Research Report

人称的な連帯の再編による地域の支えあいのあり方:公共哲学の視座からの研究

Research Project

Project/Area Number 25380772
Research InstitutionTokai University

Principal Investigator

妻鹿 ふみ子  東海大学, 健康科学部, 教授 (60351946)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2016-03-31
Keywordsオルタナティブな親密圏 / 他者へのケア / 徳性 / 連帯 / 居場所 / 地域コミュニティ / 支え合い
Outline of Annual Research Achievements

本研究においては支え合いを機能させるためには「他者へのケア」という次元を含んだ「他者を思いやる徳」としての「市民的徳性」が人びとの間に自覚されていることが必要であるということ、そしてこのような徳を自覚した人びとが、自覚的に選択して信頼に基づいた関係を構築して、地縁、血縁に依拠しないオルタナティブな「親密圏」において、人称的なゆるやかな連帯を構築することで支え合いが機能するのではないか、という仮説を設定し、言説分析と、実証研究から検証してきた。言説分析によって、親密圏における支え合いの可能性が実践に開かれたものであることが、居場所についてのケース・スタディによって確かめられた。すなわち、優れた支え合いの実践が行われていた居場所においては血縁・地縁に依拠しないという意味でオルタナティブな親密圏が成立しており、そこには10の共通要素があることが見いだされた。①住み慣れた家で過ごすような快適さがある②利用者主体の過ごし方を可能にする③利用者とスタッフのボーダーがはっきりしない④利用者どうしの関係を作るための意図的な働きかけがある⑤受け入れる姿勢を持つ⑥開いた部分と閉じた部分を意図的に使い分けている⑦地域からのサポートがある⑧こだわりを持って設立・運営している⑨制度・施策の側からの期待に応える⑩運営資金の創出に工夫をしている(せざるをえない) という10の要素である。このような要素を持つオルタナティブな親密圏を地域コミュニティにおいて再編することが可能であることが示唆されたといえる。居場所で構築されていた人々の関係性は、具体的な他者の生への配慮/関心を媒体とするある程度持続する関係性としての親密圏をリアルに示すものだったのである。

  • Research Products

    (4 results)

All 2016 2015

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] ケアリングとしての支え合いはいかなる規範に依拠すべきか~支え合いの理由やかたちをケアの倫理から支える~2016

    • Author(s)
      妻鹿ふみ子
    • Journal Title

      東海大学健康科学部紀要

      Volume: 第21号 Pages: 3-15

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] シニア世代と共にコミュニティを拓く2015

    • Author(s)
      齊藤ゆか、 佐藤 陽、 藤原佳典 、妻鹿 ふみ子
    • Journal Title

      ふくしと教育

      Volume: 19号 Pages: 42-47

  • [Presentation] ケア倫理とボランタリズムをめぐる一考察2015

    • Author(s)
      妻鹿ふみ子
    • Organizer
      日本福祉教育ボランティア学習学会
    • Place of Presentation
      山口県立大学(山口県山口市)
    • Year and Date
      2015-11-15
  • [Presentation] シニア世代と共にコミュニティを拓く~シニアボランティアの育成に向けて~2015

    • Author(s)
      齊藤ゆか、 佐藤 陽、 藤原佳典 、妻鹿 ふみ子、大井智香子、竹中庸子
    • Organizer
      日本福祉教育ボランティア学習学会
    • Place of Presentation
      山口県立大学(山口県山口市)
    • Year and Date
      2015-11-14

URL: 

Published: 2017-01-06  

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